企画

□過去から未来へ
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鬼が鳴く。
暗くて
寂しいと


〜過去は未来へ〜




はぁっはぁっ。
体が痛い。
天人に斬られたところが痛くてたまらない。
くそっ。あんなヤツらに斬られるなんて最悪だ。
とりあえず、どこか隠れることができるところを探さなくては。
早く休みたいと訴える体に叱咤を打ち、森を抜け辿り着いた場所は小さな神社。
さびれてボロボロなこの神社ならば、誰か人がくることはないはずだ。
やっとゆっくりできる。と適当なところに寝転び瞳を閉じた。


どれだけそうしてたのだろうか。
のろのろと瞳を開ければ、オレンジ色の空とムカつくくらいサラサラの黒髪。
ん?
…黒髪!?
ガバッと勢い良く起き上がった。
傷に響いて痛いが、気にしてられない。
確かに意識を沈めていたが、そんな状態であっても他人の気配を感じないなんてこと今までなかったはずだ。
驚いて、すぐさまソレと距離を取る。
ごんっと頭を打つ鈍い音がしたが知ったこっちゃない。


「いたた…」


頭を押さえながら起き上がるソレは、小さな子どもだった。
何でこんなとこに子どもが?


「おい、お前何なんだよ?」

「…あ!おさむらいさん、おきたんですか?」

「お前、誰だっつてんだよ!」


子ども相手にムキになるなとヅラの声が聞こえてきそうだ。
しかし、今の俺にそんな余裕はない。
気づいたら懐にいた子ども。
ただの子どもじゃないって誰だって思うはずだ。


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