企画
□甘い誘惑
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あまい
あまい
におい
あれ?
…ちょっと甘すぎ?
〜あまい誘惑〜
「銀さん、知ってるか?」
「あんだよ?あのグラビア女優の胸は偽物だって?俺ァ、絶対信じないからね」
「ちげーって。ここ最近、なんか出るらしいぜ」
「…出るって…いやいや、まさか…」
「気ぃつけろよ。何でも吸血鬼らしいって話だからよ」
久々に長谷川と飲みに屋台に来て、まさかこんな話を聞かされるとは思わなかった銀時は背筋を冷たくさせた。
元より、怖い話やおばけの類が苦手な銀時だ。
帰り道の月の朧気な光がさらに恐怖を煽る。
こういうときは、兎にも角にもまっすぐ家に帰るのが一番だ。
お登瀬のところで軽く飲み直そうと考えながら、ふらふらと万事屋への道を歩く。
すると、目の前に人影が見えた。
銀時は噂の吸血鬼か!?と身構えたが、どうやら違うようで3人の男が1人の小柄な少年を取り囲んでいた。
所謂、カツアゲってやつだろう。
こんな時間に何やってんだか。
出くわしてしまったものを無視できるわけなく、銀時はその間に割って入った。
「はいはーい。お巡りさんですよ。君たち何やってんのかな?」
「ゲッ!警察だってよ!?」
「やべ…おい、行こうぜ」
税金泥棒も役に立つことあんだな。
少年を囲っていた男たちは銀時の『お巡りさん』の言葉を鵜呑みにし、そそくさとその場から離れていった。
なんてお決まりなヤツらなんだろう。
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