企画

□引き時なんてものは大抵間違える
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銀さんは女好きだ。
特に巨乳な人。
好きになってはいけない人だと分かっていたのに好きになった。
何度も諦めようとしたけどダメで、今まで他の人を好きだなって思ってたのは、本当の恋じゃなかったんだって知らされた。



〜引き時なんてものは大抵間違える〜





一度好きになってしまったものを嫌いになるなんて簡単には出来ない。
厄介なものだ。


「やっぱ、この方法しかないよね…」


握る手には『辞表』と書かれた封筒。
これ以上、側にいたらもっと好きになってしまう。
気持ちが抑えきれなくなったら最後だ。
良くて引かれる。悪くて会うことすら叶わない。
ならば、辞めてしまってたまに会うくらいの方が断然いいに決まっている。
新八は下唇を噛み締めた。



封筒を懐に忍ばせ、新八は万事屋に出勤した。
室内に入ればまだ寝ていることが容易に分かるくらいの静けさだ。
二人の住人を起こす前に簡単な下拵えを済ませ、神楽をまず起こしに行く。
神楽はご飯の名前をちらつかせればすぐ起きてくれるので問題はない。
問題があるとしたら大人の方だ。
いくら名前を呼べども体を揺すろうとも起きやしない。
最後くらい優しく起こしてやろうと思ったが、なかなかどうして上手くいかない。


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