Long

□不覚にもLOVE
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※現代パロ




僕には今、気になる子がいる。

同じクラスの女の子。名前は綾波レイ。

青い髪で、シャギーのかかったちょっと長めのショートカット。肌は日焼けした事ないんじゃないかってくらい凄く白い。あと目の色が赤い。とても綺麗な赤だ。

スラリとしたボディライン。力を込めて抱きしめたら壊れてしまうんじゃないかってくらいとても華奢で、守ってあげたくなる感じ…。仕草はとても女の子らしくて、特に、雑巾を絞るとこ。…どことなく母さんに似てるんだよな…。




「シンジはあーゆうのが好みなんか?」
「へぇ〜っ、物好きだねぇ」

休み時間、僕の席で前の授業で返ってきたテストの見直しを友だち二人としていたらたまたまそういう話になったので、綾波が気になるという事を打ち明けてみた。…すると二人は珍しい生き物でも見るような目で僕を見た。…ちなみに名前はトウジとケンスケ。

「何で?可愛いじゃないか綾波…」

何だよそのリアクション。可愛いだろ。文句なしに。

「まぁ顔は可愛いわな。顔は。…だけどアイツ誰彼かまわず無愛想やし」
「一年中無表情で何考えてるかわかんないしね。笑わない女の子なんてどうよ」


…確かに、綾波は異常に口数が少ない。必要最低限の事しかしゃべらないし、返す言葉もいつも一言二言ボソリ、とだ。

そのせいか綾波は男子からあまり人気がない上に女友だちもいないみたいだ。

「きっと綾波は不器用なんだよ…」

僕も、そうだし。綾波程愛想がない方じゃないだけだ。

「おーおー、恋は盲目やなぁ。」
「イヤーン♪碇クンやっさしーんだ♪」

「や、やめてよっ!」

ただ思った事を言っただけなのに冷やかされた。ああもう、やっぱりうかつにこういう話はするべきじゃなかった…

「シンジ、お前の気持ちはよくわかった!こうなったらワシらとことん応援したる!」
「だな。キューピッドは俺たちに任せろ!」

げっ!完全に面白がってる!!

「やっやめてよいいよ!何もするなよっ!!」

…なんてそんな事思うのは遅すぎた。

二人はちょっと離れた席で読書している綾波に大声で話しかけたのだ。

「おーい綾波ぃ!」


ぎゃーっ!!やめろ!!何するつもりだよ!!

「…何?」

綾波が振り返る。何か迷惑そうに…

「碇がさぁ、テストの事でわかんないとこがあるんだってさ!」
「そやから綾波が教えたってくれんか?」

な、な、な、何言ってんだお前ら〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

僕は顔が真っ赤になるのを感じた。

クラス中の、他の人たちもこっちを見た。そう、僕らは花も恥じらう(?)14歳…他人の色恋沙汰に敏感なのだ。あーほら、みんなニヤニヤしてるよ…バカバカ!あからさま過ぎだよ二人とも!!…クラス中にバレたよ完全に!!あああああ…穴があったら入りたい…

でも、そんな風にヘコむ僕を、何と綾波が救ってくれた。

「いいわよ。私が解る範囲でなら」

あっさりと、素っ気なく了承してくれたのだ。…そして更に綾波は僕を天国へと導いてくれる。

「じゃあ、今日…うちに来る?」

クラスにはたくさん人がいるのに、僕は何故か今この瞬間、ここにいるのは綾波と僕二人だけのように感じた。僕は叫んだ。

「い、行くっ!!」




冷やかす声があちこちから聞こえたけど、気にもならなかった。


だって僕は今日これから気になる女の子の家に行けるのだ。っていうかつまり、一緒に下校できるんだよ!ふ、二人っきりで…っ!!うわぁ、どうしようどうしようっ!!綾波と二人っきりなんて…何話せばいいかな!?

フワッと、幸せなオーラが僕を包み込んでいるようだ。周りを花が飛んでる気がする…

「良かったなシンジ」
「やったな」

さっきまで散々『何してくれるんだ馬鹿!』と思ってたけど…今はもう、この二人に大感謝だ…。

「あ、後で何か奢るよ…」

どうしよう…顔が、ついついニヤけてしまう…。

幸せ過ぎる…青春まっしぐらだ…!!

「だっらしない顔っ!!」

そんな僕の顔を、すぐ側から心底軽蔑したような声がピシャリと叩いた。




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