Short

□収穫祭
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※下品。




【2-A】




ヒカリ「最近家庭菜園っていうのを始めたの。鉢で育てるタイプの」
アスカ「自分で野菜を育てるの?」

ヒカリ「そう。」
アスカ「面白いの?」

ヒカリ「とっても面白いわよ。愛情が湧くっていうか。私が始めたのはもともと鉢に種が植わってる状態で売ってるヤツで、する事って言ったら肥料をあげたり水をあげたりするだけなんだけどね。この間ちょっとだけ土から芽が出てて感動しちゃった」
アスカ「ふーん」

ヒカリ「そういえば加持さんていう人もスイカを育ててるのよね」
アスカ「はぅあ!そういえば加持さんも土いじりが好きなんだったわ!」

ヒカリ「アスカ?」
アスカ「…趣味を通して距離を縮める…そうか…その手があったか…」

ヒカリ「ア、アスカ、アスカ?」
アスカ「決めたわっ!あたしも家庭菜園ってヤツを始めてみるっ!!」

ヒカリ(…アスカの性格から考えて碇君が犠牲になるかもしれない…。ごめんなさい碇君…。世話を押し付けられたら半分は私のせいです…)
アスカ「ねぇヒカリ、帰りに買い物に付き合って!」

レイ「何の話?」

ヒカリ「あ、綾波さん。今ね、家庭菜園の話をしていたのよ」
アスカ「あんたも植物とか育ててみたら?植物を育てる喜びに目覚めて、ついでに癒やされる事ができればちったぁその暗い性格何とかなるかもよ」

レイ「…ニンニクって育てられるかしら」

ヒカリ「ニ、ニンニク?…うーん…ニンニクは…難しいって聞いた事があるような…。」
アスカ「あんた馬鹿ぁ?ニンニクなんて育ててどうすんのよ」

レイ「毎日食べる」

ヒカリ「ニ、ニンニク好きなの?」
アスカ「ほんとに馬鹿ね」

レイ「主食はニンニクでいい」

ヒカリ「あ…あんまりニンニクを食べ過ぎると体に良くないと思うわ」
アスカ「ちょっと、あんたがニンニクの臭いプンプンさせるのは構わないけどそれでエヴァパイロットはニンニク臭がするなんて周りから言われるようになったらカッコ悪いから止めなさいよね!」

トウジ「何の話や?」

ヒカリ「す、鈴原!」
レイ「ニンニクの話」
アスカ「家庭菜園の話でしょっ!」

トウジ「家庭菜園?何や土いじりかい、ババ臭い話やのー」

ヒカリ「何ですってぇ!」
レイ「ニンニクを笑う者はニンニクに泣く」
アスカ「だからニンニクじゃねーっつぅの!!」

ケンスケ「何々、何騒いでんの?」

レイ「ニンニ」
アスカ「家庭菜園の話よっ!!」

トウジ「いでででで!何怒っとんねん!」
ヒカリ「いずれ鈴原もお世話になるかもしれない野菜なんだからねっ!」

ケンスケ「へぇー、家庭菜園かぁ。俺さぁ、ガキの時何かの絵本で読んだ、お菓子が実る木とか憧れた事あったなぁ。自分家にあったらいつでも食えるのにって」

ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「ニンニクの方が良い」
トウジ「…」

ケンスケ「え…どうしたのみんな」

ヒカリ「あははは」
アスカ「あははっ!」
レイ「どうしてみんなニンニクの良さがわからないの」
トウジ「ぶあーっはっは!そらええわ!!」

ケンスケ「な、何だよ!ガキの時の話だろ!」

トウジ「ワシもパンの木があったら絶対育てるわ!」
アスカ「あたしフカヒレ!」
ヒカリ「私はお弁当のおかず」
レイ「ニンニクなら実現可能なのに」

カヲル「やぁ、何やら楽しそうだね、何の話だい」

レイ「ニ」
アスカ「家庭菜園の話よっ!!」

カヲル「家庭菜園…」

ヒカリ「渚君て家庭菜園っていうより薔薇の花とか育ててそうよね」
トウジ「薔薇なんて食えんからつまらんやろ」
ケンスケ「イメージだよイメージ。渚は収穫の為に何かするって言うより、美しく咲かせる為に花を育ててそうだよな」
アスカ「コイツが畑で芋とか掘ってたら笑えるけどね!あははは!」
レイ「芋じゃなくてニンニクにすれば良いと思うわ」

カヲル「はは、僕ってそんなイメージなのかい?けど、残念。僕でも収穫を楽しみにしているものがあるよ」

ヒカリ「えっ?渚君も何か育ててるの?」
アスカ「嘘ぉ、マジ?」
トウジ「ホンマか?」
ケンスケ「何育ててるんだ?」
レイ「まさかとは思うけど碇く」

カヲル「シンジ君と言う名の可憐な花さ」

ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「あなた何の捻りもないわね」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

カヲル「知っていたかい?花というのはただ毎日水をあげるだけでなく、可愛いよ綺麗だよと誉めてあげるとより美しく咲くんだ」

ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「それで碇君の何を収穫するの」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

カヲル「シンジ君の陰毛さ」

ヒカリ「い」
アスカ「いっ!」
レイ「いんもう」
トウジ「いっ?」
ケンスケ「い…っ?!」

カヲル「それと世間一般で言うムダ毛というものだね。脇毛やすね毛も収穫対象さ。今はまだツルツルだけどいずれは生えてくる。そしたら残らず僕が処理するんだ」

ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「きっと碇君、収穫されたらとても恥ずかしがるでしょうね」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

カヲル「そうだね、シンジ君は繊細だから羞恥のあまり泣いてしまうかもしれないね。とても楽しみだよ。」

ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「そうね」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

カヲル「だからシンジ君の体は毎日欠かさずチェックしているんだ。最初に生えた一本はピンセットで丁寧に抜くつもりだよ。」

ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「ガラスケースに保存ね」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

カヲル「解ってるじゃないかリリス。そう、シンジ君の初めての陰毛は勿論記念に残しておくつもりさ。」

ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「それ、見に行っても良い?」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

カヲル「少しだけならね。触れるのは禁止だよ」

ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「碇君の初めての陰毛。楽しみ」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

シンジ「あれ、みんな何話してるの?」

カヲル「やぁシンジ君」
ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「家庭菜園の話をしていたの」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

シンジ「家庭菜園?良いなぁ、僕もちょっと野菜を育てるのって憧れてるんだ。でもいざ収穫する時になったら情が移ってちょっと可哀想になっちゃうかもって思うとなかなか始められないんだよね」

カヲル「嗚呼、シンジ君は優しいね。」
ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「けど収穫される事こそ育てられたものにとっては喜びに感じると思うの。今まで育ててもらった恩返しができるもの」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

シンジ「なるほどぉ。そっか、育ててもらった恩返しっていう考えは僕にはなかったなぁ。綾波は凄いね」

カヲル「うん、今日のリリスはなかなか冴えているんだよ」
ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「何を言うのよ」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

シンジ「何だか急に野菜を育ててみたくなったよ。ベランダで簡単に育てられるようなものを今日帰りに買っていこうかな」

カヲル「それなら僕も付き合うよ」
ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「私も」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

シンジ「あはは、放課後が楽しみだね。…ねぇ、ところでみんなさっきから何で黙ってるの?」

カヲル「そういえば」
ヒカリ「あ…」
アスカ「…」
レイ「?」
トウジ「えーと」
ケンスケ「いや…あの」

シンジ「何でみんな暗い顔してるの?」

カヲル「食べ物の話をしていたからね、お腹が減ったんじゃないかな」
ヒカリ「…え、ええ」
アスカ「…」
レイ「ニンニクが食べたい」
トウジ「あ―…」
ケンスケ「そ、そういえばそうかも…」

シンジ「やだなぁみんな、まだ一時間目が終わったところだよ」

カヲル「みんな今日はランチタイムが待ち遠しいね」
ヒカリ「あ…うん」
アスカ「…」
レイ「今日のお弁当はカップラーメンニンニク味」
トウジ「…そやな」
ケンスケ「…だな」

シンジ「あ、カヲル君、今日はサンドイッチだよ」

カヲル「いつもありがとうシンジ君。それを聞いたら僕もお腹がすいてきたよ」
ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「昨日も一昨日もカップラーメンニンニク味。」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

シンジ「はいはい、お昼のお楽しみね。…あ、綾波も良かったらサンドイッチ食べる?あんまりカップラーメンだけじゃ体に良くないし」

カヲル「シンジ君、リリスはニンニクが好きなんだからそんなに気を遣わなくても」
ヒカリ「…」
アスカ「…」
レイ「ありがとう碇君。お昼休みが俄然楽しみになってきたわ」
トウジ「…」
ケンスケ「…」




キ―ンコ―ンカ―ンコ―――ン…




シンジ「あ、先生だ。またねみんな」

カヲル「うん、授業が終わったらね」
ヒカリ「…うん」
アスカ「…」
レイ「ええ。」
トウジ「…おう」
ケンスケ「…ああ」

ヒカリ「…」
アスカ「…」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

ヒカリ「…」
アスカ「…ヒカリ、あたしやっぱり今日買い物行かない」
トウジ「…」
ケンスケ「…」

ヒカリ「…うん」
アスカ「…」
トウジ「…」
ケンスケ「…」




アスカ「…気持ち悪い」




おわれ!

+++

(;^p^)何か書けば書く程カヲル君が重度の変態になっていく気がする。

10.04.22

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