兎の図書館
□矛盾
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ある時、死神は自分の鎌に尋ねました。
「ねぇ。なんでアタシは死神なの?」
そっと鎌を覗きこんで死神の少女は話していました。
「ボクもシラナイよ。ボクこそニアに聞きたいよ。なんでボクは鎌なの?」
ニアとはこの死神の少女の名前。
ニアは鎌がなければ普通の女の子に見えます。
「シラナイ。だってアタシが生まれる前からそうだったんでしょ?」
ニアは生まれつき死神でした。
ニアは生まれてから、人の魂を狩り続けました。
しかし、何故狩らなきゃならないのかは知りません。
ニアはずっと不思議に思っていました。
「う〜ん…ヒトはね、自分はどうして生まれたのかミンナシラナイんだ。」
鎌はちょっと困ったように言いました。
「アタシは分かるよ。このシゴトをするタメに生まれて来たから。」
でも、ニアはそれしか知りません。
彼女は学校にも何も行ってないのですから。