場き置説小・詩


□詩
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〜 トドカナイ 〜


鳴り響く オルゴールの音色
切なさを刻み 教室を染める

『御別れだね』 そう云って
私の髪を撫でた あなが愛おしくて
私は泣きながら 花束を渡す
それでもあなたは 笑顔で応えて
背中を向けて 去ってしまう

ねえ また
また 逢えるよね?
必死に出した 言葉にあなたは
バイバイと 手を振った
肩を小さく 震わせながら

伝えたい この想い
あなたが好きだと 伝えたかった
でも あなたが
あなたの悲しそうな 顔を見ると
喉から言葉が 出なくなる

今日も一人で 電車に乗って
景色を見ながら あなたを想う
小さな携帯を 両手で握って
あなたに送る言葉を ただ一人で考える

何か云わなければ 紡がなければ
あなたとは一生 離れてしまう
それが恐くて それが嫌で

唇を噛み締めるたび 涙が零れる

あなたが好き・・
だから 振り向いて?
あなたが好き・・
だから 手を握って?
あなたと一緒に
先を見たいから
先に進みたいから

ねえ
ねえ 振り返ってよ...
私が必要だって 云ってよ...
もう 胸が
胸が 張り裂けそうだよ...
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