文
□永遠に好き
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「好き好き大好き超好き、世界で一番好きだわホント」
俺はほぼ毎日好きと口に出す。
我ながら軽いなと思う。
レッドが口を開こうとしたのでそれを俺の口でふさいでやった。
ついでに舌も入れてやる。
「お前の重てー好きなんて二度といらねーんだよ」
放した唇で言う。
約半年前にレッドが寄越した好きは胸が押し潰されるほど俺の心に重くのしかかった。
レッドの前でみっともなく号泣してしまうほど。
それが悔しくて俺は好きを連発するようになった。
俺の好きなんて何万回も言わなきゃレッドの好きに負けてる気がして。
レッドのことも泣かせてやりたくて。
「どーすればお前を大号泣させられるんだよ?」
レッドは少し考えて。
「………グリーンに先にプロポーズされたら泣くかもしれない」
「は?」
「僕、来月くらいにプロポーズしようと思ってるんだけど…僕が言う前にグリーンから言われたら泣くかもしれない…」
「………………………」
いやいや何か喋れ俺。無口はレッドの専売特許だろうが。
「そ…それは…嬉しくて泣くのかそれとも先を越されて悔しくてか…」
「………両方?」
「そうか…ダブルか…ダブルで泣くんならプロポーズしてやるかな…」
ダブルってなんだよ…
「いやいやそれより…何プロポーズの予告なんてしてんだよ。
そーいうのは普通サプライズだろ。
来月プロポーズしようと思いますなんて言ったらそれはもう今したのと同じだろマヌケ」
「でもグリーンからしてくれるんだろ?」
「ああそうだよ俺から言ってやるよ。ちゃんと泣けよ。
レッド、俺と…」
そっか…レッド、俺と結婚なんて考えてくれてたのか…
「俺と…」
結婚したらもっとずっと一緒にいられるんだな…
「俺と…っ…」
目頭が熱くなってきた。喉と鼻の奥も痛くなってきた。
「け…結婚…してください…っ……」
悔しいけど涙がぼろぼろ出てきた。
「ちくしょぉ…やっぱお前、重てーよ…」
結局泣かされたのは俺だ。
レッドに抱きしめられたのでそのTシャツを濡らしてしまう。
「グリーンありがとう…」
「や…約束通りちゃんと…泣けよ…」