□忘れるから
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「レッド〜こっち向けよ〜」
 グリーンはヘラヘラと笑いながら親友に抱きつき、その唇に自分のものを重ねた。
「………酔いすぎ…」
「あははは…お前も飲んだだろ。お前も酔ってるはずなんだから、お前も俺にチューしろよ」
「………」
 軽くため息をついた後、レッドも先程のグリーンと同じことをした。
「あはは…酔っぱらって男同士でキスして…明日には絶対後悔してるよな!
 だから寝て起きて明日になったら絶対忘れろよ!俺も忘れるから!ははは!」
 レッドがコクリと頷く。
「だから…だからさ…忘れるから……」
「?」
 さっきまで大声で笑っていたグリーンの声がどんどん小さくなっていく。
「今だけ、明日の朝目が覚めるまでの間だけ…お前のこと好きでいさせろよ…」
「グリーン…」
「ちゃんと忘れるから…」

 痛いほど抱き締められたレッドは相手の体を引き離すことも抱き返すことも出来なかった。


  
 

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