文
□破壊
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高校1年の4月。
ほとんどの生徒が中学からの持ち上がりなのでこの空間には緊張も無い。
「おはよう進、携帯買った?」
「ああ」
「番号とアド教えてよ」
桜庭がポケットから携帯電話を取り出した。
高校入学を期に携帯を初めて購入した者が多いため、教室のあちらこちらで同じようなやり取りが行われている。
ちなみに桜庭はモデルの仕事を始めた中学3年から携帯を所持している。
進は鞄から二つ折りの携帯を取り出し、それを開いた。
バキッ
「ええ〜っ!?」
鈍い音と桜庭の間抜けな声。
そして驚きと冷静さをかね揃えた進の声。
「電話がおかしい…」
数日後
「おはよう、携帯修理した?」
「ああ」
「じゃあ番号教えて」
バキッ
「またおかしい…壊れているのか?不良品だろうか」
「壊れてるんじゃなくて壊したんだろ…」
さらに数日後
「おはよう、携帯修理した?」
「親に解約された」
「だろうな…」
終
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