文
□地獄へ
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「俺の恋人になってくれるの?」
「ああ」
「そんな簡単に了承して良いのか?」
「簡単に考えているつもりは無い」
「俺とキスできる?」
「できる」
「そのうちエッ…体の関係とか言い出すよ…」
「ああ」
「誰にも言っちゃ駄目だし、誰にも祝ってもらえない。
もしバレたら…家族とか友達のなかには嫌悪する人もいるかもしれない」
「構わない」
「俺のファンに怨まれるかもよ」
「ああ」
「愛してるけど幸せになんてできない。俺はお前を地獄へ引きずり込む…」
「チームメイトとして共に上に行くのだから、恋人として地獄へ堕ちるなど大したことではない」
その言葉に俺の緊張は溶けた。
進にとっても俺にとっても一番大切なことはアメフトなのだから、二番目以降のことを今悩む必要など無い。
恋人としてより、選手として進に認められたことの方が嬉しい。
「ならどこまでも一緒に行こう」