+Clap+
□戒
2ページ/2ページ
『Dear Mother.』
「ねぇ、戒〜」
戒「ん?何?」
「母の日、戒はお母さんに何あげるの?」
戒「内緒(笑)」
「何それ?(笑)」
数日前、君は俺に聞いた。
その答えを、俺は今日、君に教える。
「ごめん戒!!待った!?」
戒「全然★じゃあ行こっか?」
「うん!」
午前11時。
自宅まで君を迎えに。
「こっちと…こっち!どっちがいいかな?」
戒「そうだなぁ…白…いや、ピンクかな」
「おっけー★」
午後12時。
いつもの店で君とショッピング。
戒「美味しい?」
「うんっ、すっごく美味しい♪」
戒「よかった(笑)」
午後3時。
最近見付けたイタリアンレストランで遅めの食事。
オフに充てた普通のデート。
でも今日のデートはここからが本番。
戒「じゃあ…行こっか?」
本日2度目のこのセリフ。
「え?何処に?」
戒「…内緒(笑)」
キョトンとする君に微笑んで、俺は車を走らせた。
目的地まで、あと数キロ。
………………………………
戒「着いたよ」
「…?」
戒「はい、降りて?」
午後5時。
本日の最終目的地に到着。
「えっ…戒…ここ…」
戒「そう、俺ん家(笑)」
「ぅ…嘘っ!!えっ?」
両手で口を押さえて驚いてる君。
俺は車に鍵をかけて、玄関へ。
戒「ホラ、早く入るよ」
「ちょっと待って!!お母さんは…」
戒「勿論いるよ(笑)」
「むっ…無理無理無理無理…!!」
俺の腕を引っ張って止めようとしてるけど、そんな力じゃ止めらんないって(笑)
戒「(苦笑)」
――…ガラッ。
「ちょっ…!!」
戒「ただいまー(笑)」
戒母「あらどうしたの!?」
戒「や…今日母の日だからさ…」
今度は俺が、ドアの影に隠れてる君を引っ張って。
戒「俺の彼女を紹介します。母さん、前から会いたいって言ってたでしょ?」
「まっ…前から!?」
戒母「あら〜、初めまして!!戒から聞いてはいたけど、想像以上に可愛い娘さんだこと♪」
「や…そんな…///」
戒母「まぁ玄関じゃなんだから、取り敢えず中に入って入って♪」
「ぁ…はい…;」
それから君が母さんに気に入られたのは言うまでもないなく。
母さんが涙を流しながら言った、
『こんな息子ですが、これからも宜しくお願いします』
という言葉。
その言葉に深く頷いた君が流した涙。
母さん、凄く喜んでたよ。
あの日の答え。
母さんに君を紹介する事。
それが俺の、母さんへの贈り物。
-END-