+Clap+

□戒
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『Dear Mother.』





「ねぇ、戒〜」

戒「ん?何?」

「母の日、戒はお母さんに何あげるの?」

戒「内緒(笑)」

「何それ?(笑)」





数日前、君は俺に聞いた。

その答えを、俺は今日、君に教える。










「ごめん戒!!待った!?」

戒「全然★じゃあ行こっか?」

「うん!」



午前11時。

自宅まで君を迎えに。








「こっちと…こっち!どっちがいいかな?」

戒「そうだなぁ…白…いや、ピンクかな」

「おっけー★」



午後12時。

いつもの店で君とショッピング。







戒「美味しい?」

「うんっ、すっごく美味しい♪」

戒「よかった(笑)」



午後3時。

最近見付けたイタリアンレストランで遅めの食事。






オフに充てた普通のデート。

でも今日のデートはここからが本番。





戒「じゃあ…行こっか?」



本日2度目のこのセリフ。



「え?何処に?」

戒「…内緒(笑)」



キョトンとする君に微笑んで、俺は車を走らせた。





目的地まで、あと数キロ。







………………………………







戒「着いたよ」

「…?」

戒「はい、降りて?」



午後5時。

本日の最終目的地に到着。






「えっ…戒…ここ…」

戒「そう、俺ん家(笑)」

「ぅ…嘘っ!!えっ?」



両手で口を押さえて驚いてる君。

俺は車に鍵をかけて、玄関へ。




戒「ホラ、早く入るよ」

「ちょっと待って!!お母さんは…」

戒「勿論いるよ(笑)」

「むっ…無理無理無理無理…!!」



俺の腕を引っ張って止めようとしてるけど、そんな力じゃ止めらんないって(笑)




戒「(苦笑)」



――…ガラッ。



「ちょっ…!!」

戒「ただいまー(笑)」

戒母「あらどうしたの!?」

戒「や…今日母の日だからさ…」



今度は俺が、ドアの影に隠れてる君を引っ張って。




戒「俺の彼女を紹介します。母さん、前から会いたいって言ってたでしょ?」

「まっ…前から!?」

戒母「あら〜、初めまして!!戒から聞いてはいたけど、想像以上に可愛い娘さんだこと♪」

「や…そんな…///」

戒母「まぁ玄関じゃなんだから、取り敢えず中に入って入って♪」

「ぁ…はい…;」





それから君が母さんに気に入られたのは言うまでもないなく。


母さんが涙を流しながら言った、

『こんな息子ですが、これからも宜しくお願いします』

という言葉。



その言葉に深く頷いた君が流した涙。



母さん、凄く喜んでたよ。






あの日の答え。

母さんに君を紹介する事。

それが俺の、母さんへの贈り物。








 -END-

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