Infatuation

□純情セレナーデ
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廊下で擦れ違うたびに勝手に目で追ってて…



友達にさくら、と呼ばれているのを聞いて名前を知った。








それから半年、



3年になって、教室が3階に変わった。





席は窓際の一番後ろから2番目。



案外、先生の目につくのは一番後ろだから、ラッキー。





ちなみにその一番後ろは翔吾。



後ろからちょっかいばかり出してくるからうざい。








いよいよ受験生です、などとだらだらしゃべっている担任の話を聞き流し、ふと窓の外を見ると、



隣の校舎の1階下、2階の教室の窓際に座っているあの子は――








マジかよ……





長いサラサラの髪を耳にかけ、教卓を向いて、先生の話を聞いている桜ちゃん。








やば、ここ特等席じゃん。



席替えしたくない、マジで。














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