駅前のコンビニで3人分のアイスを買って出ると、駅でフラフラと酔っ払っている人が目に入った。
あたしの大好きなブランドのショップ店員をしている玉置さんだ。
大丈夫ですか、と駆け寄ろうとして、足が止まった。
玉置さんの前に車が止まって、
その車から、先輩が降りてきたから。
あたしは思わず恭平の後ろに隠れた。
「穂高〜!終電逃しちゃった〜!キャハハハ」
先輩は、笑い上戸らしい玉置さんの肩を支えると
「ほら、帰るぞ、」
と車の後部座席に玉置さんを乗せた。
え……?
帰るって何……?
先輩の家に……?
今から……?
先輩は、恭平の後ろで立ち尽くしている泣きそうなあたしに気付くことなく車を発進させた。