アマリリス

□不覚にもときめいた
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「え、小山くん?わたししゃべったこともないんだけど」



「依がしゃべったことないのはどの男も一緒でしょ」



「…そうだけど」



「顔がわかるだけマシじゃない、
 依もそろそろ少しは男と絡んだ方がいいよ。小山くんならいい練習相手になるよ、優しいし。」



「なんでわたしの話になるの?今回は美香の協力に行くんだからね!」








大学に入って初めての夏休み。





高校時代からいい感じだった美香と北川くんをくっつけよう大作戦として仲のいいわたしたちで海に行くことになった。





蘭子は彼氏の御前くんを連れて来るからいいけど、そこに男子が苦手で一人身のわたしがいるのは不自然だということで御前くんが呼んできたのが小山くん。



わたしたち6人は同じ高校から同じ大学に進学した。





だけどわたしは小山くんと同じクラスになったこともないし、話したことはない。



存在は知ってたけど。





御前くんは1年のとき、蘭子と北川くんは2年のときに小山くんと同じクラスだったらしい。



美香は社交的だから誰とでも仲良くなれるし小山くんとも友達だそうだ。





小山くんのことをよく知らないのはわたしだけ…。












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