特に何もない、2人で過ごす雨の休日。
ソファーとテーブルの間に座り、苦手な数学の問題を解くあたしの後ろで昨夜レポートを仕上げ、疲れたとソファーに寝転がる穂高。
「あ゙ぁー」
xとかyとか√とかが嫌になり、ソファーにもたれても反応がなく。
スー、スー、……
振り返ると心地よさそうに眠る恋人。
「数学教えてやるって言ったのは穂高じゃんか…」
小声で呟き、頬をそっと突いてみた。
きっと、今日はあたしが来るから、きのうのうちにレポートを書き上げたのだろう。
そっと寝かせておこうと思ったのだけど………
「綺麗な顔だな……」
半年前まではこんな近くで見ることはなかった。
最近は呼び方や話し方も変えて、距離がいっそう縮まった気がする。
睫毛長いな……
ビューラーで上げなくても綺麗に上向いてるし……
親しくなったとはいえ、普段はドキドキして間近でガンミすることなんてないから。