アマリリス

□きみに恋することにしました
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「いい感じだね」



「何が?」



「もー!またクールぶって!」



「…」



「大学でも小山は依のこと見つけた瞬間嬉しそおーに大きく手振って、」



「依は恥ずかしそうに小さく振り返して?」



「…」



「依のあの初々しい反応!」



「小山くんは依のこと大好きーってオーラ全身から滲み出てるしね、」



「っ、だからそんなんじゃないってば!」








大学内のカフェテリアで分担していた課題を見せ合うわたしたち。





アドレスを交換してから数週間。




メールは結構してると思う。



というかこんなに男の人とメールばかりするのは初めてで。





でもこの親友2人の言うような恋愛の話にはならない。



いつも小山くんの他愛ない面白い話に笑わされている。





嫌な“男”を感じさせない優しい小山くんにわたしが惹かれているのは…事実。



だけど好きかと聞かれたらそうとは言い切れない。





というか、認めたくない。





2、3ヶ月前に初めて会話して、それ以来ほとんど話したこともない。



メールだけで好きになるなんて、あり得ない。





それに何より、まだわたしの中で人を好きになることに躊躇いがある。








メールしてるときも、ちょっと返信早すぎたかな、とかあと2分経ってから送信しよう、とか考えている自分が嫌だ。



少しでも小山くんの返信が遅かったりすると何度も送信ボックスの自分が送信したメールを読み返して



こう打てばよかった、とかもうちょっと時間空ければよかった、と後悔するばかり。





こんな自分、気持ち悪い。





恋愛って本当に嫌だ。





それに、小山くんはまだ元カノを引きずってる、



って本人の口からこの耳で聞いた。





無謀な恋はしたくない。



傷つきたくない。



わたしのことだけ、見てくれる人がいい。














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