アマリリス

□楽しいなんてきっと錯覚
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海に行った日から1週間。



わたしたち女子3人はカフェにいた。





バイトなどが重なって都合がつかず、海に行った日以来会うのは初めて。








「えっと、お陰様で、亮と付き合うことになりました。」



「「おめでとう!」」





あの日、いい雰囲気になった2人はやっと恋人同士になったらしい。








「わたしたちが行った意味なかったよね、蘭子は最初から抜けちゃうし」





御前くんと共に姿を消した蘭子は結局帰ってくることはなく、「ごめん、先に帰るね!」というメールが届いた。








本当にわたしと小山くんは行った意味がなかったと思う。








「え?依、小山くんは?」



「何?」



「そうだよ、小山とどうだったの?告られた?」



「は?」



「は?じゃないでしょ、ずっと2人で何してたの?」



「何って…小山くんの恋愛相談聞いてた…」





わたしの言葉を聞いた2人は顔を見合せてはぁ、とため息を吐く。





「何やってんのよ、小山…」



「あのね、小山くん、依のこと気になってるんだよ?」



「どこからそういう話になるわけ?わたし小山くんに元カノのこと引きずってるって相談聞いてたの。」



「…本当、小山ってバカ」



「不器用そうだもんね…、
 でも、祥治が言ってたけど最初は行く気なかった小山くんに依も来ること言ったら来る気になったらしいよ。」



「亮も言ってたよ、依の水着見れるって言われたから行ったのに見れなかったから残念がってたって!」



「何それ、体目当て?」



「違うよ、そうじゃなくて!」





冗談じゃない、



何?浮気する男は最低って言ってたのは嘘?



元カノを引きずってるのに他の女の水着姿が見たいなんて。





結局男ってそういう生き物で、騙されかけたわたしがバカだった。




「とにかく、2人が期待するようなことは何もないよ」














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