くちびる王子

□恐らくはただの嫉妬
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 02
−−−−−−−−





げ…





久しぶりのデート。





待ち合わせ場所に現れた蘭子の唇、



キラキラ…いや、テカテカ?光ってる。





「おまたせ!ごめんねっ!」





待ち合わせ時間より2分早いのに。



俺が早く来ただけなのに、ちゃんと謝る蘭子。





綺麗な蘭子を一段と綺麗に魅せるそのテカテカした唇が動くのに目が奪われて―――





「しょ、祥治?」





名前を呼ばれ、ハッと我にかえる。





「何、その唇」


「あ!グロス切れたの忘れてて、買ってなかったから違うのつけてるの。」


「なんか…赤いしテカりすぎじゃね?」


「だよね…、いとこが誕生日にくれたんだけどやっぱ似合わな…んっ!」





残念そうな顔で微笑む蘭子の顎を掴んで、グロスを舐めとるように。



キスをした――――





「そーじゃなくて…、そんな唇してたら変な男が寄って来る。」


「っ、…!」


「それ、俺と2人きりのとき専用な、」





待ち合わせ場所、公衆の面前で。



人通りが少ない場所とはいえ、あつーいキスを交わした俺たちにチラチラ集まる視線。





蘭子は俯いたまま、耳まで真っ赤にして、黙ってしまった。



俺以外の前で可愛い唇曝した罰だ。



でもそれは…





恐らくはただの嫉妬


(お題配布元:確かに恋だった様)















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