アマリリス

□墜落カウントダウン
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「それで、美香がねー、あ!」





いつの間にか北川のおノロケ話になっていたが、1人しゃべっていた北川が突然声をあげた。





その視線をたどると…





「あれ三矢さんじゃん?」



「っ!」





ウェイトレスのユニフォームを着て若い男ばかりの席でオーダーを取っている。



バイトか。



午後9時前、晩夏とはいえ外は真っ暗。





「バイトか、アド聞いて来いよ悠太郎」





冷やかす祥治の声は頭に入らなかった。





苦手な男たちを前に笑顔がひきつっている、



何を言われたのか少し体を強張らせている、



腕を掴まれた、三矢さんに近づいた。





「やめてあげてください、困ってます。」





三矢さんの腕を掴む男の手を素早く引き離した。





「あぁ?誰だてめぇ」





やべ、こういうの苦手なんだよ僕!



かっこつけて出てきたけどこれじゃあただの恥さらし…





「おいおいマジでやめとけって」





止めてくれたのは男の前に座っていた奴で…





「すみません!」





男たちに頭を下げた三矢さんに目立たないところに引っ張られた。





助けるつもりが三矢さんに謝らせるなんて…



男らしくない自分に自己嫌悪に陥る。













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