小説

□invisible
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蜻蛉様からお土産をいただいた。

なんでも、透明になれる薬だという。

人体に害は無いと言っていた。

半信半疑ではあったが、興味本意で使ってみたいとは思った。







〜invisible〜







「驚いた…本当に透明ですね。」

鏡の自分を見ると、スーツだけが映っていた。

所謂透明人間というものだ。

テレビ以外でこのような光景が見れるとは。

スーツを脱いだら完全にわからないだろう。

確か効力は3時間程度だったはず。

その間にしたいことがふと頭に浮かんできた。

凜々蝶様が自室でリラックスされている姿をまじまじと眺めるのは捨てがたい。

しかし仮に効力が切れた時に急に全裸の僕が目の前に現れたら、凜々蝶様はさぞ驚かれ、しばらく目を色々な意味で合わせていただけないような気がする。

それは避けたいし、何より更に気になることがあった。

彼は普段、どのような生活をしているのだろうかと。

そう、恋人であるのに私生活を浮き彫りにさせない彼の。





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