小説
□バニラ×チョコ
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アイスを食べよう、と残夏が俺の部屋にやってきた。
袋の中から定番であるバニラを取り出す。
残夏はチョコを選んでた。
ソファに座って二人して蓋を開けた。
〜バニラ×チョコ〜
「レンレン、バニラおいしい?」
「うん、うまいよー。」
「ホント?ちょっとちょーだい。」
そう言って、あー…と残夏が口を開けてアイスをねだってきた。
持ってたスプーンでちょっと多めにすくって、その口の中に入れる。
ぱくりと口が閉じられてスプーンを抜くと、アイスは綺麗に無くなっていた。
「うん、おいしー。」
「良かったなー。」
「うん。でもボクはチョコの方が好きかも。」
残夏はまたチョコのアイスを口に放り込んでいた。
その仕草をなんとなしに見つめる。
うまそうに食べる姿がすっげーかわいい。
「レンレン、アイス溶けちゃうよ〜。」
クスクスと笑われる。
そんな残夏もかわいかった。
「あ、もしかして〜、レンレンもチョコが食べたいの?」
忠告されても一向に食べる気配が無い俺に、気付いたように残夏が言う。
そしてスプーンにチョコアイスを乗せて、はい。と俺の前に近づける。
「食べる分減っちまうぞー。」
「そこまで心配してくれるなんて、レンレンってば優しー☆」
「そーそー、俺心配性だから。」
だから、アイスを減らさないように。
「んっ…。」
残夏にキスをして、そのまま中に舌を入れる。
身を引こうとした残夏の頭をがっちり捕まえた。
しばらく口の中を舌でなぞる。
チョコの味がほんのり伝わってきた。
「はぁっ…も、レンレン何するの…!」
「んー?味見。うまかった。」
「アイスこぼすかと思ったじゃん…もうやめてね。」
そう言って残夏は俺に食わすはずだったアイスを口に運ぶ。
そんな頬を染めながら言い訳されてもなぁ…。
そんな残夏もかわいいと思いながら先程のアイスの味を思い出す。
口の中では、バニラと混ざってココアに似た味になってた。
END