小説
□dreamland
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「夏目ー!」
「Σひゃああ!?」
今日朝一番に響いたのは残夏の声だった。
〜dreamland〜
「メニアック!この胸の大きさ、柔らかさ…やっぱり最高よ!」
「ん、ゃ…野ばらちゃんやめてっ…!」
今日も今日とてラウンジは騒がしかった。
野ばらが残夏の胸を後ろから揉みしだいていた。
公共の場でそんなことをされれば恥ずかしくないわけもなく、残夏は顔を真っ赤にして僅かながらに抵抗はしている。
「君たちは毎朝毎朝よく飽きないな…。」
はぁ…と少し呆れた表情で凜々蝶は二人を見つめる。
「この感触は毎日揉んでも飽きないの!凜々蝶ちゃんも揉んでみると良いわ!」
「いや、遠慮しておこう。」
ちらりと残夏を見ると、涙目で顔を真っ赤にして震えている。
恥ずかしさに耐えている、とでもいったところだろう。
「キミもキミだ。嫌なら嫌だと意思表示をしないから毎日そうなるんだ。」
凜々蝶は残夏を諭すように言った。
すると残夏は視線を泳がせる。
凜々蝶が首を傾げていると、残夏がぽつぽつと喋り出す。
「ゃ…その、別に嫌とかじゃなくて…むしろ野ばらちゃんのこと好きだから…その…。」
小さい声ではあったが、しっかりと紡いでいく。
そして消え入りそうな声で呟いた。
「の、野ばらちゃんになら…何されても…いい…。」
皆の前では恥ずかしいけど…と付け加えた。
そして潤んだ瞳で野ばらを見上げる。
所謂、上目遣いだ。
「夏目…!」
「Σひゃあ!?」
がばっと野ばらは残夏に抱き付き、今度は胸に顔を埋めた。
残夏はますます真っ赤になり、また目をぎゅっと瞑った。
「っていう夢を見たの。」
「それ本人の前で言っちゃう〜?はいティッシュ。」
「女のあんたから貰いたかったわ。あんたもう女になりなさい。」
「野ばらちゃん冗談きついよ〜。」
おわれ