小説
□愛しのあの子はシルクハット
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前はうさぎ耳だった。
今はシルクハット。
やっぱり疑問に思う。
なんでだろう。
〜愛しのあの子はシルクハット〜
「なぁ残夏ー。」
「なぁにレンレン〜?」
日曜日、昼下がり。
現在は連勝の部屋。
ソファで紅茶を飲みながらまったりしている。
「なんで今回はシルクハット?」
ひょいと残夏の頭にあったシルクハットを自分の頭に乗せる。
前とは年齢だけでなく、身長も自分が追い越してしまった。
身長はほんの少しだけれど。
「うさぎ耳かわいかったのになー。」
「本当?レンレンにそう言ってもらえて嬉しいなっ。」
残夏は連勝を下から覗き込むようにして言う。
「でもねー、もううさぎ耳は必要無くなっちゃったから。」
「必要無い?なんで?」
連勝は首を傾げる。
シルクハットがずれ落ちて床に落ちる。
予定だったのを残夏が受け止めた。
「うさぎはねー、淋しいと死んじゃうんだ。」
シルクハットを被りながら言う。
「でももうボクはうさぎじゃない。淋しくても、いつも傍に居てくれる人が居るから。」
ね、レンレン☆といつもの調子で笑う。
「あー…ヤバい、残夏かわいすぎ。」
「わ…レンレンっ…。」
ぼふっと残夏を抱き締めたまま、ソファに二人して倒れ込んだ。
END