うたプリ
□四人との初対面は
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『あ?マスターコースに?』
寿「そーなんだよっ!!ついに僕にも後輩ちゃんたちが出来るんだよっ!!」
美風「しかも、その新人アイドル、噂のST☆RISHらしいよ」
『ふーん…つーことは俺も先輩になるって事か?』
黒崎「はっ、真面目にやんのかよお前が」
『そーゆう蘭丸に言われたかねぇわ…でもそれだとカミュ余るじゃん』
カミュ「俺は素人の指導を早乙女から頼まれた。問題はない」
『そう…か』
ここはQUARTET☆NIGHTの楽屋
今日は新曲の発表のため、久しぶりに四人が全員集まった
俺、黒舞灯は此奴らの作曲家であり、マネージャーでもある
今は全員準備が終わり、丁度伝えられていたマスターコースについて話し合っていた
『にしてもお前らが先輩ねぇ…やってけんのか?』
寿「もー、マイマイひっどいなぁーれんちゃん悲しいぞっ☆」
『うん、一回寂しさで死ねばいいと思うわ』
寿「ぐッ…結構グサッと来る…」
美風「ま、確かに灯の言うとおり僕たちが先輩として今ここに居るなんて信じられないけどね」
黒崎「俺達の場合、出会いが出会いだからな」
カミュ「ふんっ、今では良い思い出だろう」
『良い思い出…か…?』
正直こいつらとの初対面は最悪だった
気がする
あれは確か、QUARTET☆NIGHTが誕生して間もない頃
当時、声帯ホリープでアイドルを止めて作曲家に移転したての頃だった
俺はこいつらと対面するため、事務所を訪れていた
控室に通された俺は中に入り四人を待っていた
そして数分後
扉が開き、四人が中に入ってきた
そこまでは良かったんだ。…そこまでは
『…!!』
寿「あっれぇー?誰かいると思ったら、女の子じゃない」
真っ先に気づいたのは嶺二で、俺は挨拶をしようと口を開いた
だが
黒崎「ちっ、またどっかのファンの奴が入って来たのか」
『え…』
蘭丸の言葉に口を閉じた
もしかしなくても、間違えられてると認識し慌てて訂正しようと再び口を開こうとした
美風「良くいるよね、そーゆう人の迷惑とか考えないで後先行動する子」
『なっ…』
カミュ「何処の誰かは知らんが、即刻に立ち去れ、愚民が」
『ってめぇら……』
さっきから聞いてれば言いたい放題言いやがって、訂正する暇も出してはくれない
しかも誰も作曲家だとは気付かない驚異の馬鹿さには驚かされる
さらにはカミュは俺の事にまったく気づかない
そこで俺の中の切れてはいけないものが切れた
『っ…さっきから黙ってきいてりゃ言いたい事自分たちだけ言いやがって…!!…てめえらそれでもアイドルか!!?』
寿「え、ちょっと…お、落ち着きなよ、ね?」
『これが落ち着いていられるかっての!!こちらと喉壊してえらい苦労してんだ!!なのにファンだ迷惑だぁ?ざっけんじゃねえ!!!』
寿「あのーもしもーし…」
イライラが度を過ぎて、手に力がはいり、持っていたシャーペンを綺麗に粉砕
寿という男がヒッと悲鳴を漏らすのが聞こえた
『こっちの言い分も聞かずによくそんな減らず口が叩けんなぁ!?ここにいるやつってことは作曲家だっつー考え方出来ねえのか!?』
寿「え、待って、じゃあ君は…」
『今日からてめぇらの作曲家担当の黒舞灯だ!!以後間違えんじゃねえぞ色ボケ野郎ども!!』
寿「でも、マイマイのあの啖呵はすごかったなー」
黒崎「すごいっつーよりも、女じゃねえとは思ったな」
『それ遠まわしに男っぽいって言ってるよな』
蘭丸の言葉に思わず顔が引きつる
美風「実際そう変わんないでしょ」
『誰のせいでこうなったと思ってんだよ…!!』
啖呵を切ったあの後、気づいた時にはもう遅く男っぽい女として認識されてしまっていた
寿「まあそれより驚いたのがミューちゃんの知り合いだったって所かなぁ」
カミュ「俺がまだ国に居た頃逃走した奴だからな。よく覚えている」
『逃走じゃなくて、学園通うために移転したって言ってよね』
カミュ「しかし今とは違ってだいぶ女『なにか言ったか?』……」
それでもなんとかこうやってまとまっている
今では俺の大切な仲間であり"家族"だ
そんな昔話に花を咲かせているとコンコンとノック音がして、スタッフが入ってきた
どうやらスタンバイのようだ
寿「じゃー、行ってくるねっ☆頑張って歌うから」
黒崎「…行ってくる」
美風「見守ってて。それだけでいいから」
カミュ「失敗などせん。心配は無用だ」
『あぁ、期待してるよ。俺の自慢の王子様』
寿「皆、聞いてね!!新曲―――…」
四人「「ポワゾンkiss」」
今日もまた、俺の大切な仲間が俺が作った曲で輝いている
四重奏の歌声が観客を笑顔にしてゆく
客席で光るペンライトは、夜の空に輝く星空のよう
光はさまざまに色を変え、ライブを盛り上げていく
その幻想的な空間はまるで…
QUARTET NIGHT
四重奏の夜曲
続く
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