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□翠蘭学園
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「コーヒーでいいか?」
「あ、はい。」
ってなに俺真面目に返答してんの!
「で、なんで俺は連れてこられたんですか?」
「俺が暇だから。」
無意識のうちにため息が漏れるのは、目の前の飄々とした態度の、男のせいだ。
「せめて、もうちょっと隠そうとしてください。」
呆れたように言うが、もちろん効果はない。
「あ、そうだ。お前、甘いもんとか食えるか?」
「甘いもの?」
「おう。出来立てのアップルパイg「食べる!」お、おう。準備するわ。」
出てきたアップルパイに俺は口角が上がったのがわかった。
「いただきます。」
お皿に乗っていたフォークで一口サイズに切り分け、口に含む。
「…美味しい。」
無意識のうちに出た言葉により、灰塚の頬がうっすら紅く染まった。
理由が分からず首をかしげると、灰塚はしぶしぶ口を開いた。
「それ、俺が作ったんだよ。」
「それって?」
「あー、だからそのアップルパイは俺が作ったの!」
俺が食べていたアップルパイを指差しながら、諦めたように言った。
「え?」
「まぁ、男が菓子なんざ「すごーい!他にもなにか作れる?」は?いや、まぁケーキ位なら…」