大航海時代4〜ふなのり〜
□「嵐を超えて東アジア!」
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■マリア様■
さて、五代呉越の首都……もとい中国有数の港都市・杭州!
僕はシェンさんに案内されてリー・家の大きな屋敷につれてかれた。
リーっていうんだから扉あけた瞬間「あちょー」っていって男の人が飛びかかって襲いかかってくるんだ。
僕は内心どきどきしながら(なかば構えなから)室にはいる。
「――……カストール商会の総帥、ラファエル君ね? 私はこの中国の海を守る職についている、マリア・ホアメイ・リーよ」
丁寧なラテン語で僕に話し掛けてきたのはオリエンタル美女の女総督!
僕はあがちゃって、声が出なかった。
「お、ラフィがあがってる、」
「美人にはよわいからね〜」
クスクスとわらいごえが耳を噛み、痛い。だから、つい……
アチョ〜!
「グア!」
おもわず照れ隠しでクラウにとび蹴りをくらわしてしまった。
「てめえ…殺す!」
あっけにとられる、リーのかたがたにイアンさんがペコペコと慌てて頭をさげる。
「すみません、すみません! いつもああなので、気にしないでください!」
しかし気を取り直したようにころころとマリアさんはわらっていう。
「かわいい方ね」
「か、かわいい……?」
その場がしーんとかたまった。
そんな雰囲気など気にしないのか、マリアさんが話題を本題にもどす。
それは海賊クルシマ討伐のこと。
討伐すればクルシマのシェアを僕のものにしていいし、覇権のカギをくれるという。
僕達はその話にのった。
さっそく、極東アジア……ジャパンへ!
しかし、長崎に入ろうとした刹那クルシマにみつかってしまった!
――トンデヒニイルナツノムス!
僕は船に搭載したトルネードで撃退した。
そして大阪にいたるとそのクルシマが僕につっかかってきた。
「おうおう、バレテンの船はおまえたちのか!」
あちょ〜…と問答無用で腰をおとして撃退しようとおもったけど、ここはジャパン! ここは刀でずばり、百人切り!
剣シミターに手をかけようとしたとき、
「多勢に無勢、ひきょうでござる〜」
刀身にまばゆい太陽の光をのせながら、ひとりのサムライが海賊どもの間をすりぬけて、膝をついてとまる。
鞘に刀をおさめ、つばがカッチン! と音をたてるとともに海賊達の服が切り刻まれ全裸になる。
その体には新しい傷をつけることはなかった。
お見事!
「お、おぼえてろよ〜」
おぼえているまえに、大砲で一撃だよ
という言葉はとどいてないだろう。
さぁて、あの……おサムライさま、おなまえは?
「ユキヒサ・ゲンジョウ・シラギでござる。あなた方はバレテンでしょうか?」
ちがうよ、ポルトガル人だよ。まあキリスト教徒もいるけど、みんなラファエル教徒だよ……いった〜い!冗談だよ!(とも言えない船員もあるけど)
「拙者せっしゃを共にしてくれませぬか? 世界がみたいでござる」
「ここにもどれないかもしれないよ」
「それでも! 提督の命を狙う者は拙者が成敗するでござる!」
……命をねらうもの…。
僕はクラウをちらりとみやった。
クラウはぎくりとしいたが、すぐに、「くるならきやがれ、」と嘲りを浮かべた目で訴える。