大航海時代4〜ふなのり〜
□ホドラム航海日誌
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さて、パシャ軍の攻撃に備えて水夫をあつめるためにポルトガル・リスボンへ。
すると、チェーザレの奇声が港の方から聞こえた。
かけよってみると驚愕の表情でラティナ級の船をみつめていた。
そして
「わたしのエリシュオン号〜!」
そういって船に乗り込んでしまった。
「エリュシュオン号?」
ああ、チェーザレがさがしているという船のことか、というとみつかったのか?
「わ、なんだ、この男は! 盗賊か!」
と船の中からきこえてくる。そしてすんだ少年の声もつづく。
「え〜! 盗賊だって!」
まずい、誤解されてるぞ!
私とゲルハルト、シャルルにマヌエルはあわてて彼をひきとめた。
「ああ、すみません、とりみだしてしまい…」
「なんなんだよ、このおとこは」
「あ…」
きみは…
きみは、カストール商会の、ラファエル提督か?
「そういうあなたはスエーデンのベルグストロン提督…」
彼とは顔見知りだった。
一度目はこのリスボンでバイオリンを引いていた彼をみつけ、2度目は新大陸のハバナの森の奥で。
彼とは妙な縁があるらしい。
「……そうなんですか、僕達はこの廃棄船だとおもって修理してつかっていたんです。チェーザレさんの船だったんですか」
「ええ、難破してもうみつからないとおもっておいたのでありますが、こうやって見つけることができるとは、思いもしませんでした」
「でもおれたちもこの船がなければなにもできないしな」
「だめだよ、クラウ、もとの持ち主にかえしてあげなくちゃ」
「んなこと、いったってラフィ……」
「ね、チェーザレさん。この船はあなたにかえします。このリスボンのドラックにつないでおきます」
では、きみたちはどうするのだ?
「なんとかします」
にっこり笑っていうのだ。私はふ…とわらった。
「どこまでお人好しなんだよ…ラファエル」
「まあ、我らが提督らしいですけどね、」
「そりゃ、そうだけどよ、アルカディウス…」
「そう未練がましいと男の価値落ちますよ」
「う…」
カストール提督の良いところだな。
「え?」
「いや、カストール提督はホドラム提督に似ております」
ゲルハルト?
「匂いがおなじなのです。きっと、このカストール提督も大物になりますぞ。ああ、あなたに出会えて光栄でございます」
おいおい、ゲルハルと私のもとからはなれるきか?
冗談でいっているのだとわかる。彼もくすりとわらってまさか…と苦笑した。
「ねえ、ベルグストロン提督」
ホドラムでいい。
「ではホドラムさん。これからパシャと戦うのでしょう、僕達も応援します。がんばって下さい。あとこれはある人からきいたのですが、黒海にあたらしい街ができたようです。機械があったらたずねてください」
まるで、おしえられたようないいかただな?
「ばれてしましましたが。ええ。以前あったあのお姫さまにそうさりげなく伝えて下さいといわれてたので…」
セラのことか!
ラファエル君は微笑んだ。
その笑みはセラと重なる笑みだった。