遥かなる日々

□師であり親友
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「今日は見張りなのか」
「あ、譲…お前またねむれないのか?」
 譲は苦笑いしてうなずいた。
「嫌な夢をみるっていってたな、どんな?」
(………いえない…。先輩を守って死ぬ夢だと)
だが、与一は譲の表情をよみとったのか、
「もしかして、死ぬ夢か?」
「!」
「おまえ顔に感情出し過ぎ、ってか軍中で暗い顔してるやつってたいていそんな思いにかられているやつばかりだし」
 ははは、と笑ってひたりと真剣なまなざしを譲に向けた。
「おれもそんな夢を見るよ…、」
「与一も?」
「ああ…だけど、それを戒めにして、絶対に死なないって思えるんだ。警告なだけで、その警告をよみとって回避すれば運命通りにならないってわけだろ」
「それはそうだけど…」
「おれは死なない、そう強く思うことが第一だ……だがすきな女守れて死ぬんだったら話はべつかもな」
 くすくすわらって、「じゃあな、お前も重大な役目をおってるんだから少しは休んでおけ」といって警備に戻っていった。
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