遥かなる日々
□ハイ! チーズ!
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■これなら一生忘れない■
荼吉尼天が私の中にいて…みんなを……。
私はそれがショックでいたたまれなかった…。
トントンッ…とノックと将臣君の私を呼ぶ声が聞こえた。
私は慌てて部屋に招いた。
将臣君は朔や譲くんが作ってくれたおにぎりをもってきてくれた。
多分元気のない私を励ますように渡され、そして私の様子をみるように…頼まれたのだろう。
「だいじょうぶか。望美?」
「うん…」
「そうはいっても元気はないな…ま、あたりまえか…ん?」
将臣くんはクローゼットにおいてあった写真たてに手をのばして少し眉根を寄せた。
それは私と譲くんと将臣くん…三人で写っている写真。私にとっては大切な思いでなのだけど…。
「いつとったんだこれ?」
「え?」
「俺全然記憶にない」
私は「なんで、どうして!」というと将臣君は苦笑して大人の手で私の頭を撫でてくれた。
「そういうものだ、お前が覚えているのと、人が覚えているのがちが…」
カチャ!!
私は携帯片手ににっこり笑った。
「これで忘れられないでしょ?」
■
「譲! なんだか望美の部屋があわただしくなったぞ!」
「やるね〜将臣、望美を押し倒した、明日は晴れていい女になるんだ」
「あ、逆に押しだおされた! はげしいねぇ〜」
「兄上下品ですわ!」
「譲、あ、あれは乱闘ではないのか?」
皆は外のから私達の様子をみやって(カーテンごしだからシルェットになっている)いろいろ憶測しているけれど敦盛さんは真相に気付いて譲くんにたずねた。
譲君は苦笑いしながら眼鏡をぐいっとあげていった。
「あれが…兄と先輩…日常です」
★
「きゃー! 何するのこれでわすれられないでしょ〜!」
「ああ、ああ! わすれらんねーな! っていうか人の話の腰をおるな!」
「大切な思い出を覚えてくれてない方が乙女心が落ち込むのよ!」
「俺を押し倒しておいて何が乙女だ!!!」
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