大航海時代4〜ふなのり〜
□マリア〜鄭和航路を行く〜
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第一章・女王様と下僕?
私はマリア・ホアメイ・リー。
中国の海を守る職についているのv
――え? v(ハートマーク)なんてつくキャラじゃないって?
いいじゃない、モノローグくらい明るくたってv
今私達は中国ではなくて、スマトラ島にいる(え、タイムリーな…って? でも時代は1600年代よ。たぶん)。
現在、私は七つの海の覇権を集めている最中で…その経緯は、先日仇であったクルシマをやぶり七つの海の覇権のひとつ『信長宮燈』を私は手に入れると、鎖国状態の国が非公式ながらも私達の活動(列強阻止計画)をみとめてくれたの。
――はやくみとめろってゆーのよね、ったく。
そしてさっそく私達は東南アジア海域に舵をとったのだけどまたややっこしいことに首をつっこんでしまったの。
まぁ、そこんところは少し省かせてもらうけどね。
東南アジアの支配者・クーンと対立しているなか、私たちはギルトにて遭難者の送還をたのまれちゃったのよ。
「言葉が通じませんね、マリア提督…」
そうね…イアン。
でもちゃんと故郷にかえしてあげなくちゃいけないわね…。
そうだ、あなたはいいの? ロシアに帰らなくて?
「な、なななな、提督は私が嫌いなんですか! 必要ないのですかぁっ」
とたん、イアンは膨大な涙をながし私にすがる。
「私はずっと、マリア様についていきます〜! ――だから見捨てないでください!」
もう、わかったから放しなさい恥ずかしい!
どんっと、足げするとなぜかイアンの白い頬が上気し、目がうるうると嬉し気に潤む。
「もう、いけづなんですね…」
は〜…。なんでこの男の実態を誰も信じてくれないのだろう?
彼、イアン・ドゥーフコは、ロシア人で富豪商人の息子。
父親と航海の途中難破し、生き残るため水夫として中国にわたった頃、偶然私は彼に出逢いなぜ水夫になってしまったのかをきいて、哀れにおもいイアンを引きっとた。
イアンはそれ以来、よく私に使えてくれて今では腹心中の腹心となったのだけど…どうも私に甘えてくる。
顔に「マリアさま命」と書いてあるように…。
だから私もついつい「下僕」としてつかっちゃうのだけど…ああ、いけない関係になりそうで恐いわ…。
しかし、この白面美貌の男は、他人にはクールにみえて、研ぎすかれた刃のような印象があるらしい。
――世の中不思議だ。
とにかく、今後のこと…。
遭難者をここから遥か東にあるという「ハワイ島」につれていかないといけない…。
遠征用の船にしなくちゃ…ジャンク五隻…すべて遠方洋向きにして、食料とか水をつまなくちゃ…きっと南の国は生水がおおいから。
「提督、すべてととのいました!」
え、まじ? 早ッ!
「このイアン…提督の考えいることはすべてお見通しです…」
膝をついて顔を上げる。
同時にイアンの白い歯がキランッ、と光った。