遥かなる日々

□周郎
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■まだまだ、この時代は正史■

 あ……、
 私は琴のつま弾くところを間違えてびくっと身構えてしまった。
 あ〜あ……、いいところまで行っていたのに。
 私は元宮あかね。

 京に親友2名巻き込んで、龍神に召喚された女子高生です。
 私を守る八葉たちほとんどに「神子」って呼ばれています。


 京の内裏に怨霊が出るようになったといわれ内裏に滞在して怨霊封印して日々精進してます。


 さて、私は今興味を持った琴を友雅さんに教示してもらっている。
 でも全然うまくいかなくて、友雅さんを苦笑させてばっかりいる。
 私才能ないのかも。
「ふふ、別に私は周郎のように目くじらをたてはしないよ」

 ――周郎?
 ハッ! 友雅さん、周郎というとあの『三国志』の周 公瑾のこと!
「そ、そうだが?」
 私の鬼気迫る悦びように友雅さんは呆気にとられた。
 私の頭はその言葉に三国志一色にかえられた。
 でも、でも――まだこの時代羅貫中うまれてないし、時代違うしっ!
 この京が当時の時代と大陸を当てはめると『初宋』時代!
 いま演義はまだ『三国平話』って呼ばれるものが支流な筈!
 によって、友雅さんの出典は三国志呉書周瑜魯粛呂蒙伝 第九の周瑜伝! の江表伝! でわ!!

「――神子殿は漢文が苦手なのでは?」

 私は三国志マニアなんです!

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