遥かなる日々
□HEROS
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■時空移動■
悲惨な運命を辿った。
――先生は戦で私たちを助けるために死に、将臣くんは還内府…みんなは平家の策略に炎のなかにその命を散らし死んでいった。
そして私は、私だけが元の世界にかってきてしまった……。
私は掌の先生の血を見てあれが夢じゃないことをまざまざと思い知らされる。
認めない……、こんなの……。
――これで、時を越えられる。
白龍の声が脳裏に浮かび、ポケットの中の白龍の逆鱗を探って見つめる。
こんな運命みとめない!
運命を変えて見せる!
私は強くねがい、皆がいたあの頃を強く思い請う!
白い光につつまれる――。
☆
ここは…。
私は朝陽が瞼にあたる心地よさに目をあけた。
「おい、望美だいじょうぶか? うなされているみたいだったけど」
……将臣、くん?
「ん、なんだよ」
周りを見ると皆いる。――あの時の熊野にもどってきたんだ……!
私はじわじわと感動が胸に湧き、両拳を天上にあげて、叫んだ。
「ヤッター!」
「おいおい、HEROSかよ」
将臣くんの指摘にそうかも、と思ったわたしだった。