アンジェリークと愉快な恋仲間達
□クリスマスの夜に
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■サンタのクリスマス■
「ハッピークリスマス!」
ぱぁん、とクラッカーが弾け、中から出てきた屑がニクスさんの上に散った。
「アンジェリーク、お正月とクリスマスが一緒になってますよ、聖夜なのに……」
クスッと笑うとわらうと私も同じように笑ってニクスのさん上につもった屑をはらう。
「そうですね、でもヒュウガさんの故郷は年末は多神教でいそがしいとか」
「そうだ、クリスマスが終ったら師走、師走がおわったらお正月、お正月が終ったら成人式だ、そのあとは……」
「くどいから」
レインの指摘にウッとヒュウガ黙る。
「でもお祝いことはいいことだよね」
フォローなつもりかジェイドさんがおっとりと付け加えた。
「そうですね、でも今回のクリスマスは皆さんが居るだけで私は心うきだちますよ、あなた方がこの屋敷にこられるまで私は一人でしたから」
「ニクスさん」
「うさんくさいぜ、ぜったいあんたはクリスマスのよるは女一人かこってたって!」
「レイン! ニクスさんがそんなことするわけないでしょ!」
「寂しがりや男は、自分の容貌と人徳を利用しないわけがない。だいたいこのクリスマスカードの山はなんなんだよ、「こんや私クリスマスパーティを主催しますぜひいらしてください」って内容はよ!」
「ああ、それは……」
クリスマスカードの山をみせられてもニクスさんは同様一つみせず、変わりに柔らかい笑みをみせた。
「私、サンタクロースなんですよ」
「…………はあ?」
一同の疑問の声を聞いてさらに笑みを深くする。