アンジェリークと愉快な恋仲間達
□おやおや…
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■おやおや■
まあ…ネコの特性を考えればこの屋敷はエルヴィンくんにとって天国…ですね。
私は微笑んで…ニァア? と首をかしげるエルヴィンを抱く。
ふさふさな毛並みがくすぐったくおもいながらその背をなぜ、叱る。
だめですよ、家具に爪をといては…
うにゃん…? とエルヴィンは複雑にうなずいた。
「ニクスさん。あ、す、すみません! ちゃんとしつけているんですけど」
ああ、アンジェリーク。あなたにいっているわけじゃないですよ。
「でも…ごめんなさい。も、もしかして大切な家具とかに爪を…?」
その答えを笑みでかえすとアンジェリークはしゅんとしてしまった。私は内心あわてながらも落ち着いて取り繕う。
ああ、でもたいしたことはありませんよ、きっとエルヴィンくんも賢い子ですから、言い含めれば止めてくれるでしょう。それにトイレもちゃんと外でしてくれますしね。
「あ、そのへんは私たすかってます! もともと外で暮らしていたからでしょうか? トイレ行きたい時私を起こすんですよ、ほほをなめたりして」
おやおや…けっこう情熱的ですね。
「いや、必死なんだとおもうんですけど。おもしろがって無視しているとお腹にとんで無理矢理おこしてくるし。かえってきた時はもそもそと私のベットにはいってくるし……ってあのニクスさん恐いんですけど…?」
あ、ああすみません。ちょっとエルヴィンくんに軽い嫉妬を…。
「え?」
――ふふ、忘れて下さい。
私はエルヴィンを抱きかかえるアンジェリークの肩を抱き締め彼女の耳朶に囁く。
今夜私の部屋へいらしてくれませんか?
驚く彼女の顔を愛おしく見つめながらうなずくのをまった。