よろず小説
□お勘定
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■戦国無双2■
――え〜、ねがいましては〜♪
ぱちんぱちんと、そろばんをはじく。
小気味よい音は俺、小田原の虎屋の番頭さんの藤原堪増にとって快いおおとなのだけれど、借金する相手には耳障りな音なのだろうか、だんだん眉間が険しくなってくる。
え〜瓦、外壁の修理代はざっと50000両ですね、やすくみつくろっても、びた一文まけられません。
「うぬぬぬ……」
それにしても派手にやりましたね〜、見事に殲滅ですね。
「そうだな」
戦に勝ってもこれではのちのち復讐がおそろしいでしょうなぁ……、残党やらが……。
「ぬし、なにがいいたい?」
え〜、再び見積もりを。
鉄砲1000で、このぐらいかと……。
戦国無双――戦より太平の世の時のお勘定の方が――いたかったりする。