よろず小説
□双恋(フタコイ)プレイ
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俺は、藤原 ヒノエ。
一学期早々あり得ないほどの美少女双子にすかれてます。
なぜだろうか……?
それはともかく、俺は女の子を悦ばせるのが好きである。
ようは「きゃー」言わせたい。
千草ツインズにであったときである。
突然車に引かれ、彼女らの医者の父親が登場し、診察してもらった。
「うん、たいしたことないね、(省略)初と恋が君を気に入るのがわかったよ、私も君がきにった」
え……!
俺はその発言に思わず息を飲んでしまった。
☆
診察室からでてきた俺に千草ツインズが心配げに声をかけた。
「ど、どうでしかかぁ〜……」
「傷はいたくないですかぁあ?」
傷はたいしたことはないよ、だけど…………。
『だけど?』
君たちのお父さんに俺は……っ!
うっ、と息を詰まらせて両肩を強くだき、扉にせもたれる。
「ど、どうしたのですぅ!」
「父がいったい藤原さんになにを!」
かわいいね、娘たちが君を気に入るはずだ、といって俺をベットに押し倒してっ……!
彼女らは瞠目して互いをみやった。
そんな彼女らを盗み見て、ずずっと力尽きたようにしゃがみ込む。
お父さんのものにされそうになったよ……必死に抵抗して逃げてきたけど……。
言い終わる前に彼女らはきゃーっ! と歓喜というかなんというか黄色い悲鳴をあげて手を組みあった。
「や。やっぱり〜美少年にはつきものですわね〜」
「でもパパがそんな趣味あるなんておもわなかった〜v」
「美少年と中年のBL」
「すてきですわあああ!」
俺はにやりと笑うとの同時に、そのパパさんが騒ぎに気付きでてきた。
「どうしたんだ、ふたりとも?」
『きゃー!』
さらに黄色い悲鳴が重なった。
俺は黄色い悲鳴を聴くのが好きである。
さて、学校に行けば俺目当てになぜか転入してきた桜月ツインズ。
しかし、彼女らに興味はなかった。
心引かれるのは、――そう、友の大坂。
「いいよなぁおまえ、桜月さんたちと仲よくて」
そんなことないよ、俺は、俺は…………。
俺は近づいてきた桜月ツインズを横目で見やり、大坂の手をとっさにとってあるものを握らせた。
「藤原!」
驚いた大坂だが、手の中のものをとっさに知って言葉を飲む。
俺は大坂の手を両手でにぎって、唇をあてた。
……を好きに使ってくれてもかまわない。
吐息ににたつぶやきでいうと、大坂はだまって神妙にうなずいた。
とたん、背後では桜月ツインズの黄色い悲鳴が上がった。
「きゃぁああ! やっぱりぃ、大坂くんと……!」
「ええ〜天道くんとわたしはよかったのだけど」
ちらりと見やるとびくんと彼女らは肩をいからせ(もちろん頬を上気させ)、逃げ去った。
「おまえなぁ」
うんざりとした大坂の声。
いいじゃん、それ演技料。
「千円だけじゃないか!」
給食代につかってくれ。
「親が払ってくれてるよ!(怒)」
とにかく、俺は女子を喜ばせるのが好きであるが。
☆
「お兄ちゃん。ぼーいずらぶってなぁあに?」
うーん? なんだろうね、坊主と坊主がラブってるってことじゃないのかな?
「ふぅうん。おにいちゃんくわしいね」
「るるとららねえ、のーまるラブがすきなのぉ」
は、は、は、ませがきが。
るるららに弱い俺はうそをつくまくっていた。
とにかく、俺は女子を喜ばせつつ「るるらら」と日常を過ごす。