電王

□climaxから最期
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■おじさん■

「みんな! また未来であおうね!」

 良太郎は一生懸命自転車をこいで電ライナーにのっている大切な仲間……モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロス、ジーク、そしてハナやナオミ、オーナーに大きく手を振り彼らを見送る。
 心には走馬灯のように彼らと過した日々が温かく巡り涙になり、そしてこれからの希望になる。

 ――また、未来であおう…っわあ!



 モモタロスはつぶらな黒い瞳に光る涙をゴシッとぬぐって、鼻声でハナに声をかけた。
「にしても、ハナクソ女が愛里と有斗の子供だったとはな。…おまえが一番の鍵だなんてだれもおもわなかったな」
「ふふ、灯台下暗しだったね」
 とウラタロス。
「僕ハナちゃんが好きなのわかった! お姉ちゃんにそっくりだったからだー!」
 はしゃいでハナに抱きつくリュウタロスにうんうん、とキンタロスがつづける。
「有斗の子供でもあるからつよかったんやな〜イマジンを素手で倒す力も解明や!  ――って、どないしたん、ハナ?」
 ずっとだまっているから良太郎との別れが辛いのかとおもっていたがどうやら違う。

 青ざめてかたまってる。

「――ハナ?」

 皆が心配して顔をのぞきこむ。
 ハナはその視線に耐えられなくなり不安を口にする。

「私が生まれる前、おじさん交通事故にあって死んじゃったんだよね……」
「え?」
「まだ20にもなってないのにって、お母さんとお父さんいつも寂しそうだった……もしかして、さっき……」

 まっしろになる瞬間。


climax
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