□突然の。。。
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「…おい、起きろよ」


突然声がして目が覚めた。
両手を伸ばし全身の筋肉を伸ばす。そして寝起きでショボショボになった目を擦り、視界をハッキリさせるとある疑問が浮かんだ。


よく見ると私を呼び起こしたであろう人物は…


『(………エレン…?)』


エレンだった。

はい!おかしい!これはおかしい!
どうして男子禁止であるこの女子部屋に、男のエレンがいるの!おかしい!
まだ寝惚けているのだろうか?それともこれは夢なのだろうか?


『いっ……!』


体を起こそうとしたらズキッと頭が痛んだ。

…あぁ、そうか、そういえば立体起動の訓練中に……誰かとぶつかったんだ…
そこから記憶がないってことはやっぱり、気を失ったってことか。


「なぁ、大丈夫かよ?頭、まだ痛むか?」

『あ、ううん!大丈夫だよ、ありがと』


にこっと笑いながらそう言うと、エレンは目を見開いた。どうしたのだろう。
というか喉がおかしい気がする…

しばらく沈黙が続くと、部屋のドアが開き人が入ってきた。


「おいエレン、ソイツの調子はどうだ?」

「っ!!、らららら、らい、ライナっ、ライナああああああ!!!!」

「!?な、ど、どうした!」


入ってきたのはライナーらしい。エレンは私から離れるとライナーの後ろに逃げ込んだ。
どうしたんだろう…

ライナーは私のところにやって来て様子を伺っていた。


『な、どうしたの…?』

「ライナー、コイツ気持ち悪ぃよ!」

「お前…本当に大丈夫か…?」

『え?だ、大丈夫だって!ほら、私こんなに元気だよ!』


ガッツポーズをして元気であることを証明するが、ライナーとエレンは顔を真っ青にしてしまった。

するとまたドアが開いた。

いくら私が心配だろうが…男子禁止なんだよ?教官に見つかったらどうするのよ。


「…ん?お前らどうしたんだよ、んな真っ青にして…」

『ジャン!』

「お、大丈夫か?いやーにしてもすごかったな、ゴチーンってぶつかってよw」


ジャンはケラケラと笑っている。笑い事じゃないんだぞ。こっちはな、痛かったんだよ、確か、多分。
相手もわからないから謝れないし、喉がおかしいし、ライナーとエレンは私見て真っ青になるし…


『そ、そんなに笑わないでよ!ジャンのバカ!』

「………は?」


………うん?

あれ、いつものジャンじゃないな。いつものジャンならまだケラケラ笑ってるはず。
なのにどうした。
ジャンも顔を真っ青にしてしまったではないか。

何でみんなして真っ青になるの?
…なんかイライラする。


『………あのさ。さっきっから私見て真っ青になるの、やめてくれないかな?イライラするからさ。私何かした?』

「………お」

『なに?』

「…お前…もしかして名前か…?」

『はぁ?……ジャン、あんた本当にバカなの?なに、なんなの?アホなの?死ぬの?どう見ても私でしょ?削ぐよ?』

「………いや…よく聞いてくれ名前…。お前…、どう見てもコ「うわぁぁぁああああ!!!!!!!!」


ライナーが何か言いかけた時、ドアが飛ぶんじゃないかってぐらい勢いよく開いた。
声が少し高く感じるその声は多分女子…

いや、多分って言うかこの声って……


「な、名前!?」

「うわっ、うわぁぁぁあああ!!どう、どうしようジャン!…って、あぁ!!」

『…………え、わ、私…!?』


目の前に現れたのは


私でした。












***












『……えと…つまり…』


立体起動の時、ぶつかったのは覚えてる。
そしてそのぶつかった相手が


「…コニーだな」


そう、コニーだった。そしてそのときに…意識が…入れ替わってしまった。
だから私(体:コニー)は男子部屋、コニー(体:名前)は女子部屋にいたわけで…

起きて早くも自分の体に違和感を抱いたコニー(体:名前)は何かを確認するために鏡をみた。
で、そこに映っていたのはいつもの丸刈りした頭の自分ではなく、ふわふわした髪でどこからどう見ても女の顔だった。

そして驚いて男子部屋に飛び込んできた…と。


「こ、こういうの本当は喜ぶべき…なんだろうけどさ…!女子に囲まれて過ごすなんて…俺の精神持たねぇよ…!」

『う、うーん…。それは、そうかぁ…』

「コニーは置いといてよ、…どうすんだよ」

『…何が?』

「…ふ……風呂…とか……その………っ」

「……あ…」

『と、トイレぇぇえええ!!!』

「おま、女子なんだからって今は男か!」

「ど、どどどうしよう!俺名前にムスコ見られたくねぇよ!」

『私だって嫌よ!見たくないし触りたくないわ!汚らわしい!!』


「…………」


『…………』


「……………ぐすっ」

『ごめん言い過ぎた』

「…で、どうすんだよ」


泣き出してしまったコニーをライナーが慰めながら私に聞いてきた。

どうすると言われても困りますよね。でも大体やることはわかります。私もそこまでバカではありませんし。


『…頭をぶつけ合おう』

「………まじで?」

『うん、まじで。だっ私たち頭ぶつけたみたいだし、それが原因だし、同じことすりゃいいかなぁって』

「や、やだやだイヤだ、痛そう」

『ムスコ削ぐよ』

「やりましょう」

「(名前が怖えぇ…)」

「どうやってやんだ?」


やるとなればぶつけるために何かが必要だ。しかも勢いがいるもの。
うーんと頭を捻って考えていると、ジャンがいい案が思い付いたのか、あっ!と声を上げた。


『ジャン、どうしたの?』

「そこの一番上のベッドから飛び降りればいいんじゃね?」

「いやだ!骨折!死ぬ!」

『よし、やろう!!』

「聞いてた!?骨折するぞ絶対!」

『大丈夫だ!何かあったらエレンとライナーに任せる!』

「えっ」

『よし、じゃあコニー下にいてね。あなたが飛び降りて万が一スカート捲れたらシャレんなんないから』

「えぇ、ちょ、まじで?」

「なんでこいつこんな冷静なんだ?」

『早く戻りたいからだよ!』

「何かあるのか?」

『あるよ!』

「何が?」

『言わないよ!はい、じゃあいくよ!』

「え、え、えっ」

「何かあったら俺が守ってやるから」

「あぁ!守ってやる!」

『きゃー頼もしい!』

「俺の体で変な声すんな!」

「おい早くしろよ…」

『いくぞっ!』

「ちょ、―――!!」


・・・・・



・・・








***








・・・



・・・・・









痛い。頭が痛い。
割れそうなくらい頭が痛い。


「…ぃ、…おい、大丈夫か…?」

『……ぇ…エレン…』


エレンが見守るなか、ぐわんぐわんと脳が揺れるような錯覚をしながら体を起こす。

辺りをキョロキョロして、横に倒れているもの…あ、人を確認するとどうやら成功…したようだ。


『エレン!エレンエレン!私戻れた!エレーン!』

「そ、そうか!よかったな!」

「お!コニーも意識戻ったぞ!」

『そっか!じゃあ私行くね!』

「おいwコニー放置すんなよw」

「いてっ………ひでーぞお前!」

『いいじゃん!成功したならしたで!急いでるのよ私は!!』

「あぁー」

「そういやさっきっからどうしてそんな急いでんだ?」

「何かあるんだったよな?」

『もう元気だってことを伝えにいくの!そんで…!』

「……んで?」

「つか誰に?」

『マルコだよ!!!!!』

「あぁ、まぁ俺らの班長だしな、安否確認のためか…」

「あ、じゃあ俺も行くよ」

『来んな!!!』

「え!?」

「なんでだよ?」

「すげぇ血相だな」

『マルコに伝えるのはそんな理由じゃない!!』

「は?」

『……………//(ポッ』

「なんだコイツ気持ち悪ぃ」

「どうした」

『……実は…』


私が言おうとしたら、またドアが勢いよく開いた。
そしてそこには


「名前!!」

『マルコ!!』


私が求めていた人。
私を見つけると、マルコは私に抱き着いた。


「よかった…。僕に見向きもせず急に女子部屋から出ていくからびっくりしたよ…」

『うん…ごめんね?それにはいろいろあるの…聞いてくれる?』

「あぁ、たくさん聞いてやるさ。それより頭は大丈夫かい?」

『全然大丈夫だよ!ありがとう』

「じゃあ………」

『うん!早く行こう!』

「そうだね!」

「…………え、」

「…………ナニコレ?」

『私たちこれからデートなんです!いやぁ早く戻れてよかった!』

「だから急いでたのか……」

「え、マルコ…お前…聞いてねぇぞ…?」

「僕言ったよ?でもジャンがミカサミカサって僕の話全然聞いてないのがいけないんだよ」

『マルコっ、早く!』

「うん、じゃあまたね」




((−バタン))





「………」

「なんだこれ」

「つまりあれだ!」

「…やることは1つ」



_人人_人_人人人__人人_
> 突然のマルコルート <
 ̄Y^YYY^YY^Y^Y ̄



*end
入れ替わりネタが書きたかっただけです。
いつからコニールートと錯覚していた!←
すいません


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