□火神生誕祭
1ページ/1ページ





8月2日、



私はこの日をずっと待ち続けていた。





放課後、もう夕方になったころ

各部活は終わりの準備をしていた。




その時間を狙って、私は彼がいる場所、



彼が所属しているバスケ部が使用している体育館へと向う。




『火神くん!』


「んぁ?」





"火神くん"、

彼は私と同じクラスで




私の、


恋人でもある。








「あー、どうした?校門で待ってろって言っただろ」




『えへへ...何か待ちきれなくて...、早く言いたくて...』






「...?何を?」







火神くんが小首を傾げた(まじ天使)時



私が頷くのを合図に、










((ぱぱぱぱん))












『「「「ハッピーバースディ火神!!」」」」』














「――っ.....はぁ...?」










先輩やテツヤくんがクラッカーを鳴らし、お祝いの言葉をかける。





その状況を全くのみ込めていない火神くんはポカンとしていた







「....え、な、......?」







『ほら!今日、火神くんの誕生日でしょ?』




「...あ...」





『この前テツヤくんや先輩達に頼んだの。サプライズしたいなって!そしたら手伝ってくれて...』





「本当は嫌だったんですが、苗字さんの頼みだったので仕方なく」



「可愛い可愛い後輩の誕生日だし!せっかくだからねっ!」



「火神、これ誕生日プレゼントの手鏡。やべぇ!ktkr」



「何もきてねぇよ、ありきたりすぎる-37点」



「ひどっ!」







ぎゃいぎゃい騒いでいると




横に立っている火神くんが照れくさそうに微笑んだ






「....あ、ありがとう...ッス」




『...ふふっ、愛されてるね火神くん!』





「...んだよ、お前は愛してくんねぇのか?」





『....へ?な、なな、何、今そんなの関係ないじゃない!』





「...関係あんだよ」






そう言うと、火神くんは私の体を引き寄せる



そして耳元で囁いた





「I love.
 Thank you for the surprise.」




囁くと、優しく笑った。







『...ッ!//...はゎっ、は、反則だよ...//』














「おーい、おーい?俺たちの存在忘れてねぇか?殺すぞー?」



「完全に空気ですね」



「黒子はいつでも空気だけどね!」



「っ....(汗」









火神くんが、再び耳元に近寄ると



皆に聞こえないように






「今日、この後空いてるか?」



と、言ってきた。






もちろん空いてるわけで、




でもやっぱり恥ずかしいわけで、







小さく頷いた。







「...サンキュー!」







そう言うと強く私を抱き締めた。








誕生日おめでとう火神くん




もう一度、二人きりで祝おうね。


私も愛してる。大好きだよ?
















「いい加減こっちにも触れてくれませんかね」


『「ごめん(なさい)。」』



*end


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ