文章置場

□学パロBSR【2】
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「石田くん、おはよう」
「・・・おはよう」

席替えしてから数週間
挨拶は普通に、雑談もそこそこできるようになった

「今日は一時間目から数学か・・・苦手なんだよなぁ・・・」
「・・・公式にあてはめればいいだけだろう」
「公式を覚えられないんですよ」
「・・・それは自分でどうにかしろ」
「ですよねー・・・」

フン、と鼻を鳴らす石田くん
ここで「教えてください」とか言えたらなあ、石田くんは頭がいいから是非教えてもらいたいものだ
(・・・きっと教え方は上手じゃないな)
何を勝手に考えているのだろう。失礼すぎるわ

ふふ、と笑ってしまった私の声はチャイムが消してくれた
(と思ったけど石田くんにはしっかり聞こえていたらしく、怪訝な顔をされた)


昼休みになった

今日は日差しが心地よい。私の席は日当たりがよすぎていつも頭が痛いが、今日は丁度よい。ぽかぽかして、眠気を誘う
しかしこれから図書委員会があるのだ。寝てなどいられない

「・・・石田くん、ちゃんと昼ご飯食べなよ」
「・・・」

雲居が何度言っても、石田は断固として頷かなかった

「いやほんと・・・いつか倒れるって」
「・・・そのようなへまはしない」

石田が頷くまで粘ろうと思った雲居だったが、前のように委員会に遅れて怒られるのは勘弁だったので渋々席をたった

図書室にはまだ人はまばらだった。委員長の姿がなかったが、そのまま委員会は始まった

「・・・以上です。何か質問はありますか?・・・では委員会を終わります。起立、礼」

副委員長の号令で、委員会が終わった
読書推進週間のために受付を増やすらしい。あと図書の整理とか・・・なんか色々仕事が増えた
しかも、まず図書委員が本を読んで、感想とかポップ作りもするらしい。本を読むのはいいけど感想文を晒されるのは嫌だ。しかも私の文章力は、委員長から小学生とまで言われる折り紙つきだ。鬱である

「私の紹介文で皆様の読書意欲を萎えさせてしまったらどうしよう」

雲居の図書委員という肩書きにとって死活問題であった

(石田くんご飯ちゃんと食べたかなー・・・)
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