vs pkmnトレーナー!▼
□くろいまなざし
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『チェレン!久しぶり!!』
「!あなた…!!」
ヒオウギの街へ颯爽と降り立ったのは育て上げられた自慢のウォーグル。それに乗りやって来たのはあなた。
チェレンがジムリーダーをしているヒオウギジムの前まで来ると、ウォーグルから降りて一撫でし、モンスターボールへとしまう。
2年前のあの事件以来、ゼクロムに英雄と認められ旅に出たあなたはイッシュ地方からかなり離れた場所へ行っていた為、当時一緒に旅をしてきたチェレンやベル達とはその期間会うことはおろかチェレン達はあなたへと連絡を取る手段も無く2年が経った。だがようやく今、この場所へと戻って来たのだった。
ボール越しから伝わって来る、あなたの育てたポケモン達の強さや、あなたへの信頼感といったものがなんとなく伝わって来る。
本当に底なしに強くなるんだなぁと、チェレンは少し微笑む。
昨日突然、あなたが遣いで寄越したのか、強そうなカイリューが「明日、みんなに会いにイッシュへ戻って来ます。待っててね♡」と書かれた手紙を持ってこのヒオウギジムにやって来たのだ。
ベルに聞けばベルの家にも同じものが届いていたようで、今日は久しぶりにこの地へ帰って来たあなたを迎えにきたのだ。
『噂で聞いてたけど、本当にチェレンジムリーダーになったんだね。それにコンタクトに変えた?カッコよくなったね!』
「う、うん…ありがと。あなたこそ、なんていうか…大人っぽくなったね…///」
『ホント?ありがと♩』
ジムリーダーとしてきっちりこなしているチェレンも年齢にくらべずっと大人っぽいが、それは他の地方でもチャンピオンに輝くほどまでになったあなたも同じ。
以前と比べよりトレーナーとしても、女性としても大人っぽくなったのが見てとれ、久しぶりに会えた幼馴染み兼思い人であるあなたに内心ドキドキだ。
『そういえば、ベルは?ベルにもお手紙いってるはずなんだけどな…』
「ああ、それならちゃんと届いてると聞いたよ。今僕の生徒達が研究所まで呼びにいってる。まだ少し時間がかかると思うけど」
『研究所までって?』
「うん、今ベルはアララギ博士の助手をしてるんだ」
『へぇ〜そうなんだ!ベルが研究のお手伝い…あは、なんか似合わない』
「あ…、それは確かにね」
暫くジム前で2人が談笑していると、周りから「ジムリーダーだ!」「チャンピオンのあなたさんだ!」と人が集まりがやがやし始めたので、辺りへの挨拶もそこそこにジムの中へ入る事にした。
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『おぉ〜ここがチェレンのジムかぁ!シンプルだね、アレは?なんかすんごい仕掛け付けてたりみたいのは?』
「いや、まだ出来たてだし無いよ。とりあえずその予定はないかな」
『ええ〜!つけないの?面白いのに〜』
通常ジム内はパズルのようにスイッチのオンオフを切り替えて進んだり、滑る床を設けて進みにくくしたりといった仕掛けがあるのが特徴だが、ここにそういったものは見当たらない
ジムの中に入るとポケモンスクールの校庭そのままといった風貌で、周りには木々が生い茂っているが、バトルするスペースは真っさらで、奥にはジムリーダーであるチェレンが立つステージがある…そんな場所だ。
あなたは一頻りジムの中を歩き回るとふとチェレンへ振り返る。
『ねぇチェレン、ベルたちってあとどれくらいでここに来るのかな?』
「え?もう20分とかそれくらいだとは思うけど…ライブキャスターかけてみる?」
『いや!大丈夫。20分かぁ…。』
少しだけ考えるそぶりを見せると、チェレンは突然手を握られ、『こっち!』とあなたに手を引かれる。
手を握られた事に少しどきりとしたがされるがまま付いていく。
すると、何故かジムの周りにはたくさん植えられた木々の奥へと連れられた
木漏れ日がキラキラと差し込むが、その木々の多さに大きな影を作られている…そんななんの変哲も無い場所で、あなたは足を止めた。
「…どうしたの?あなた」
『あのねチェレン。本当はもっとちゃんと時間を取って言おうと思ったんだけど…あの時の返事、しようと思って』
「…え?!」
『私もね、チェレンの事好きだよ。』
「え、あの…あなた…///」
あなたの言うあの時、と言うのは、あなたがイッシュから旅立ったその時だ。
チェレンがあなたから暫く旅に出ると言われ、イッシュにいた最後の日、名残惜しさと共にその胸の内の好意を伝えた
あなたはその際、ありがとうの一言と同時に"必ずまた戻るから…その時まで私を好きでいてくれるなら、その時は…"と、少し曖昧とも取れる言葉を残して旅立っていった
その言葉はあなたの心にずうっと住み着き、よりあなたへの恋慕を募らせた
『あの時だって好きだったけど、言ったら旅なんてどころじゃなくなっちゃいそうだったから、さ。…チェレンは?チェレンはまだ…私の事…』
「!す、好きだよ…ずっと、帰ってくる日を待ってた…っ」
『…嬉しいっ』
幸せそうに微笑むと、ぎゅっとチェレンに抱きついたあなた
チェレンは照れながらもそれに応じて背中に手を回すと、今度はあなたの唇が自分のそれへと重なる。急にゼロになったあなたとの距離と想いに、嬉しいが頭が追い付けなくなるチェレン
あなたはそれに構わずちゅ、ちゅっとキスを浴びせ、ちろりと唇を舐めたり、食むように重ねる
チェレンは真っ赤になりながらも抵抗はせず、されるがままになっている
「っん、む、あなた…ン…///」
『ん…。…ごめん、チェレン…私…』
「え…? っひゃあッ?!」
キスで頭がいっぱいいっぱいのチェレンだったが、ふと何故かごめんと謝るあなた
何かと思い閉じていた目を開くと自分顔のすぐ横にあなたの顔があった。
熱くなった頬が触れ合い、瞬間チェレンの耳にピチャ、と水音が響く
舌で舐められているの理解したが、それはどんどん奥へと入って来る感覚に震える
「あッ…んん!ひ、あなた、何してるの…ッ、やめ…うぅっ」
『んは…あのねチェレン、私…』
チェレンの声に、ゆっくり耳から離れる
肩を掴み、顔を上げてチェレンの目を見つめる
瞬間火花が散ったかのように錯覚するほどばちっとかち合った視線
『…我慢、できないの』
「っ…?!///」
獣のような目がチェレンを見据えた
これからあなたが何をしたいのか、自分はどうなってしまうのか、そこから何となく悟ってしまい、更に顔を赤くするチェレン
逃げられない
そう思わせる強い眼差しだった
「あ…え、と…こういうのって、普通逆…なんじゃ…!あっち、違う!そうじゃなくて、えっと…!」
『チェレンが気持ちよくなるとこ見たい。触りたい。…2年も、我慢したんだから…』
「あなた、ッんん…!!」
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