好きな唄たちA

□かなしみのなみにおぼれる /Neru
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手足二つずつ生えている程度じゃ 愛せるものも二、三で  それが
バカみたいに増えていくようだと 捨ててかなきゃいけないね
だから沢山愛せるようにと 意地汚いこの僕は ある日
不器用な自分を愛するのは 止めにすると決めたんだ

僕は 

神様から授かったこの生命を 母から受けた生命を
僕は人並みには使えもしないので 今朝のゴミに出しました

誰にも期待なんてされずに いよいよ開演を迫られて
ついに幕をあけた人生劇場 客もいないままに

かなしみのなみにおぼれる

どうもこの心は重症らしいが 市販薬も効かねえし  それに
恥ずかしながらこの生活では 医者に頼る金もない
だからぽっかり開いた傷口は 疾うの昔に爛れて  ある日
傷口から垂れてた虚しさが ゲロ吐くように溢れた

教室の隅で読書をする 凛とした長髪のあの子は
僕が恋してると囃し立てられて いじめに遭いました

かなしみのなみにおぼれる

始発の小田急が毎朝僕を 怒鳴りつけては
飛び起きた僕の一日を今日も 轢き殺してく

生きるために 食べるために 大事な物を売り過ぎたようで
いつまで経ってもこの大きな穴は 湛えられやしない

かなしみのなみにおぼれる

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