恋姫無双〜crossover〜
□曹魏を追って
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第三話
≪曹魏を追って≫
数日後、曹操率いる魏の大軍勢が迫ってきているとの知らせが入った
雪蓮「ついに来たわね、曹操」
冥琳「袁紹を下し、次は呉と蜀を攻めるつもりなのだろう。雪蓮、私は蜀との同盟を提案します」
軍覇「・・・蜀か。確か劉備が率いる軍だよな?その中でも“美髯公”に“臥龍”“鳳雛”が有名だったよな」
雪蓮「・・・冥琳のいう通りね。魏の大軍勢には私達だけでは敵わないだろうし。すぐに劉備達の所に使者をだしてちょうだい。私達、呉はこれより蜀と同盟を組み、魏を打ち倒すわよ」
その日に呉からの使者が劉備のもとへと出立していった
それから数日後。蜀から同盟を組むとの返答が返ってきた
冥琳「雪蓮、軍覇。蜀の劉備達とは赤壁の地で合流する手はずになっています」
軍覇「そんじゃあ、魏との決戦は赤壁か。敵は大船団、色々と策を練らないとな。冥琳、頼んだぜ?」
雪蓮「そうね、大都督様に任せるわ♪」
それから呉は赤壁へと向かった
到着早々、呉の代表である雪蓮は劉備達と会合し、話し合いをした
軍覇は面倒な軍議をサボり、呉蜀の船団に乗り込み昼寝をしていた
軍覇「スゥー・・・スゥー・・」
眠りこけている軍覇の耳にヒュンヒュンッ!!と空を斬る音が飛び込んできた
軍覇「・・・・?・・・ん?」
目を開き、辺りを見渡すと一人の女性が槍を振っていた
軍覇「・・・よくやるな?船上で鍛練か?」
自然と軍覇は声を掛けていた
?「?・・・お主は・・呉の兵か?」
軍覇「ああ。そういうあんたは蜀の人間か?呉じゃ見たことない顔だよな」
?「私は蜀の趙雲だ。此度の戦、よろしく頼みますぞ」
蜀の“五虎大将軍”の一人の趙子龍だった
軍覇「俺は呉の項羽だ。よろしくな趙雲」
趙雲「!!・・・なんと、あの西楚の覇王、項羽殿だったとわ。お会いできて光栄ですぞ」
軍覇の手を取り、握手を求めてくる趙雲。その手は女性らしくスベスベとしたとても綺麗な手であった
軍覇「俺の方こそ、ここで“五虎大将軍”の一人と出会えるなんて光栄だ。所で趙雲、お前は前線に出るのか?」
趙雲「いえ、まだどのような陣形になるかは知らされておりませぬ。項羽殿は前線に出られるので?」
軍覇「まーな。敵はあの曹魏だし、戦いごたえはあるだろう?」
ニヤリと軍覇が笑って言うと、趙雲もクスリと笑って返した
趙雲「確かに、相手にとって不足はないですな。頼もしいかぎりですぞ?項羽殿は」
再び素振りを始める趙雲。軍覇はそれを見ながら持っていた酒を口に入れ、自陣へと戻った
陣営に戻ると問題が起きていた
祭が冥琳と仲違いを起こして、出ていってしまったらしい。だが、軍覇はそれが嘘の行動だとすぐに気付いた
祭が呉を捨てる事など絶対に有り得ないからだ
勘づいた軍覇は冥琳に歩み寄り、小声で話し掛けた
軍覇「祭が逃げ遅れた時は俺が救出に行くからな。任せとけよ」
冥琳「!?・・・・軍覇、任せるぞ」
そして祭は曹魏へと下り、赤壁での戦いが開戦した
軍覇の隣では趙雲が槍を持ち、敵船団を睨み付けていた
軍覇「隣通しの部隊だったとはな。趙雲、よろしくな?」
趙雲「此方こそよろしくお願いしますぞ。では、趙雲隊!行くぞッ!!」
軍覇「項羽隊!!ついて来いッ!!!!誰も死ぬなよ!生きて帰ってこい!!いいなッ!?」
項羽隊「「うおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!」」
呉蜀の連合軍の兵達が次々に魏兵達を斬り進んでいく
その先陣を切る軍覇は剣を持ち、敵兵達を斬り捨てていく
軍覇「退けええええええええええええッ!!!!!邪魔だあああああああああああーーッッ!!!!!」
魏軍の先陣部隊を蹴散らされていく。魏の大船団からは未だに火の手が上がらない
祭はまだ動けてないのだろうか
趙雲「項羽殿、いかがなされた?」
軍覇「ん?いや、なんでもない。・・・・そうだ、趙雲?手を貸してくれねーかな?」
趙雲「それは良いが、私は何をすれば?」
軍覇「今は普通に敵を蹴散らしてくれてればいいさ。時期に火の手が上がる筈だ、その時に手を貸してくれればいいんだ」
趙雲「むっ?火の手とは・・・私は聞いておらぬが・・・まぁ、よい。その時は全力で手を貸そう」