恋姫無双〜crossover〜

□プロローグ
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〜プロローグ〜



現在、この大陸で大きな戦が近付いていた


“逆賊・董卓討伐”に各国が動き出している


そんな戦乱の世の中、赤髪褐色肌の男はとある村の店で豪華に酒を飲んでいた

「ごくごく、ぶはっ!・・・ふー、昼間から飲む酒は美味いな〜」

褐色肌の男は次々に酒を飲み続けていた。と、そこに村人が一人駆け込んできた

その表情からは、血の気が完全に引いていた

村人A「た、大変だ!!近くまで野盗の一団が迫ってきてるぞッッ!!」

村人の声にその場にいた人間は皆、固まってしまっていた

「ぐびぐび、ぶは〜・・・・んんぅ?なんだ、店主。どうかしたのか?そんな青い顔して」

店主「や、野盗が出たんだよ!!旅の方、急いで逃げた方が・・・」

「俺が逃げる?誰が逃げるかよ。ふざけんなよ、クソ店主」

バリンッ!!と酒瓶を投げ捨て、ホロ酔いの褐色肌の男はゆらりと立ち上がった

そして、ゆっくりと扉に向かって歩きだし

「よし、俺が蹴散らしてくるよ。だから、もっと美味い酒用意しとけよ〜」

ガタン!と扉を開けて、男は外へと出ていった


店主「な、なんだ?あの男・・・」


店を出た褐色肌の男は更に村を出て、荒野へと足を運んだ

荒野に出てから暫くすると

前方から土煙を巻き上げ、トドドドッ!!と轟音を鳴らして野盗の一団が迫ってきていた

軍覇は両拳をゴンッ!と叩き合わせ


「ひっく、久し振りに暴れしてもらうかねー。この“覇王・項羽”久し振りの戦だ、コラあああああああああああああああああああッッ!!!!!」



  ●


荒野を駆ける二頭の馬

馬上には女性が乗っている。それは“孫策”と“黄蓋”の二人だ

「んー、ねえ“祭”?確かこのあたりよね?野盗の一団が集結してたって場所は」

祭「ううむ、確かにここで当たっていると思ったのだがのう・・・・・ん?あれは・・・」

祭は何かに気付き、馬を加速させた

慌てて祭についていく孫策


孫策「ちょっと祭ッ!?いきなりどうしたのよ!!」

祭「“雪蓮”殿、あそこに野盗の一団の死体が積み重なっていますぞ!!」

雪蓮「・・・・え?」


野盗の一団の死体が積み重なっている山に近付いていく雪蓮達

と、雪蓮達の視界に男が一人入ってきた

男の顔は返り血で汚れていた

雪蓮「・・・・」

項羽「・・・・ひっく、んん?」

目が合う軍覇と雪蓮。沈黙が続いたが、祭が割って入った

祭「貴様何者じゃ?この野盗の一団の死体はなんじゃ。まさか、お主が殺ったのか?」

項羽「質問多いね、美人さんよォ」

雪蓮「・・・・これ、貴方がやったの?」

雪蓮は親指で死体の山を指差した

項羽「ああ」

即座に簡単に答えた

その回答に祭は驚愕し

祭「ひ、一人でこの人数を倒したというのか!?少なくとも百人はおるぞ!?」

項羽「そうだけど、俺何か悪い事した?」

馬上から降り、雪蓮は口を開いた

雪蓮「強いのね、貴方は」

項羽「美味しい酒を飲むためだよ。それで、アンタらは何なんだ?」

雪蓮「孫策よ」


雪蓮の自己紹介に項羽はピクリと反応した

項羽「ふーん、そうなんだぁ。アンタ、“小覇王”か。こんな所で会えるとはなあ」

ジロジロと雪蓮の体を舐めるように見渡していく

雪蓮「な、なにかしら?」

項羽「別に何でもないさ。で、そっちの魅力的な女性は誰だ?」

祭「魅力的とは褒めてくれるのう、儂は黄蓋じゃ。お主の名はなんと言うのじゃ?」


祭の言葉に、項羽は腕を組んで考えた

雪蓮「あら、こっちには自己紹介させておいて、貴方は名乗らないつもりなの?」

ズイッ!と、雪蓮は項羽の顔に自分の顔を勢いよく寄せた

少し“うーん”と考え、項羽は答えた




軍覇「―名は“項羽”だ」

雪蓮&祭「・・・・はっ?」







―この偶然の出会いにより、“呉”の運命は大きく変わっていく事となる。

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