★ DDFF〈短編〉 ★
□守銭奴様
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クラウドとティーダは、モーグリショップへ買い物に来ていた。
「いらっしゃいクポ」
モーグリは宙で一回転した後、深々とお辞儀した。
「よお、モーグリ。ポーションあるか?」
「あるクポよ〜」
「んじゃ、10個頼む!」
ティーダは、ポケットから袋を取り出した。
「袋は、大丈夫ッスよ!エコ袋持ってきたからな!」
それを見たモーグリは、ポーションを10個取り出した。
「流石はコスモスの戦士クポ。エコ意識高いクポね。他にお求めの物は?」
「召還獣でいいのはないか?」
と、クラウド。
それに対し、モーグリは赤い召還石を取り出す。
「それなら良い物があるクポ!リッチがおすすめクポ!一定時間後に、相手のブレイブを0にしてくれるクポ!こちらの商品なんと!100KPクポぉ!お買い得クポよ〜!」
「おっ!いいッスねぇ!んじゃ、それで!」
「毎度ありクポ!合計で200KPクポぉ!」
「はいはい、200KPッスね〜」
ティーダがセシルから預かったKPコインの入った財布からコインを取り出すところで、クラウドの制止が入った。
「ちょっと待て」
「はい?」
「クポ?」
ティーダとモーグリが同時にクラウドに目を向ける。
「200KPは高過ぎやしないか?もっと安くならないのか?」
「くぽっ?!」
モーグリが困ったようにソワソワと宙返りをする。
─── ま、またクポぉ〜。この前の戦いでも、このお兄さん値切って値切って値切っていくから怖かったクポぉ〜。商売人の天敵クポ!
「そうだな、150KPでどうだ?」
クラウドの値切りにモーグリは思わず呻きと悲鳴を合わせたような声を出した。
「グポォオオっ!?」
ティーダが思わず半歩下がるくらいの声だった。
「スゴい声ッスね」
「破産、破産するクポ!」
ならばと、クラウドは
「160KPはどうだ?」
しかしモーグリも生活が懸かっている。
「くぅぽぉ〜」
クラウドは先程よりも、静かではあるがプレッシャーのあるビシリとした声で、
「165KP」
と言った。冷静な眼差しでモーグリを見つめる。
「くっ、ぽぉ〜……」
数秒の間の静寂。モーグリには数時間にも感じた。そして、この時モーグリは敗北を悟った。
「……っクポ!せめて、175KPで勘弁してクポぉ!!」
半泣きでそう叫んだ。
買い物の帰り道、イミテーションに遭遇する事はなく、周囲は静けさを保っていた。
「なぁ、クラウド。モーグリ泣いてなかったッスか?」
「そうか?」
少々無関心そうな返事が返ってきたので、ティーダはモーグリの為にクラウドへ一言添えた。
「あんまり値切ってモーグリ虐めんなよ?」
すると、クラウドは立ち止まり真剣な眼差しでティーダを見つめた。
「いいか、ティーダ。『KP(又はギル)を制する者は戦いを制する』という」
「そ、そうなんスか?」
「覚えておけ」
そんな会話を交わした後、再び帰り道を歩み始めた。
end
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KPってどうやってモーグリに渡すんでしょうね?今回はコインにしてみました。ちなみに、このお話では1KPコイン、10KPコイン、100KPコインがあるんです。