頂き物《小説》

□銀と黒と茜
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日もだいぶ傾いてきた頃。


「着いたぞ。」


ようやく目的地に着いた。
と言っても俺には検討つかない場所だった。


「マジか!」


そう言うと銀時は降りようとした俺を後ろから抱き締め…


「あっ!何すんだよ!」


俺の眼鏡を奪った。

俺は極端に視力が悪い。
眼鏡が無いとハッキリ言って何も見えない。


「サプライズだよ、サプライズ。」

「わ、おわっ…み、見えねぇ…」


俺の視力が悪いのをいいことに、銀時は俺の手を引っ張って移動した。


「…はい、着いた。」


どうやら着いたらしい。


「まだ後ろ向くなよー。」


そう言いながら銀時は後ろから俺に眼鏡をかけた。


「…もういいか?」

「…ああ。いいよ。」


振り向くと…そこには、もうすぐ落ちようとしている綺麗な夕日があった。
海に夕日が映り、キラキラと輝いて眩しいくらいだ。


「綺麗、だ…。」

「そうだろ?一度、十四郎を連れて来たかったんだ。…出来ることなら、十四郎の誕生日に。」


銀時が振り向いた時。


「あ…」


俺はもっと綺麗なもんに…
目を奪われ、心を奪われてしまった。


「?どうしたの、十四郎??」

「いや…夕日に照らされたお前の髪の方が、海よりも夕日よりも綺麗だったから、つい…」

「!!」


銀時の顔が一瞬で真っ赤になった。


「…ったくホントに十四郎…どんだけ好きにさせんの。」

「!!」


今度は俺の顔が真っ赤になる番だった。


「あのさ、今日ここに来た理由はもう一つあんだ。むしろ俺にとってそっちのがメイン。」


銀時が口を開いた。


「??」

「え、えーと…坂田銀時は、土方十四郎のことを…あ、愛してます!!」

「!!…ぷっ、お前さぁ…噛みすぎ。」

「なんとでも笑えよ!!」


銀時は拗ねた。
…そんな所も、愛しい。


「俺もお前のこと…愛してる。」


そう言って俺から口付けた。



長い口付けが終わるとどちらともなく…


「「………好きだ。」」


そう言っていた。


「誕生日おめでと、十四郎。」

「ん。ありがとな。」



銀色と黒色のことを、茜空が見守っていた。








〜銀と黒と茜 終〜
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