頂き物《小説》

□もう少し
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〜万事屋〜


朝のゴタゴタが一段落した時。


「はあ…」


俺はまたため息をついた。
かれこれ2週間前からずっとだ。
別に仕事がまったく無くてため息をついてるわけじゃねぇ。

…べ、べつに土方に2週間以上会えてないからじゃないからな!///


会いたいと思っているのならば自分から会いに行けばいい。それは分かってる。
でも、行く勇気が起きない。

行っても「仕事中だ」とか言われて邪魔に思われないかとか、何も用がないのに行ってもいいのかとか、そんなことを気にしてしまっていつも結局行く勇気が出ない。


―本当はそばに寄り添えるだけでも心がはずんでしまうくらい嬉しいのに…


天の邪鬼な俺が惚れてしまったアイツ―土方には俺から告白して、なんと土方も俺のことが好き…みたいだったらしくて一発OK。

ああ、ためらったのはアイツからはまだ一回も“好きだ。”とハッキリとは聞いたことはないから。

本当はその言葉だって、しっかり聞きたい。


というか、ここまで土方のことを考えてる、ってことは。
やっぱり土方に会えないからため息がでてんのか…。


そんな風に考えていると。



「銀さん!」
と、新八が話しかけてきた。


「なんだ?」

「僕、今日はこれから親衛隊の集まりに行かなきゃいけないんですけど、銀さんに頼み事があるんです。」


…結構急だな。驚いた。


「私も今日は友達の家に女子会に行くアル。 だけど銀ちゃんに頼み事したいネ。」


って神楽もか。


「おいおい、二人してそろって頼み事って…一体なんだ?」

「まず、僕から。山崎さんに借りた本を返してきて欲しいんです。」

「私はマヨにこの前マヨリーンのストラップ壊したからおわびでコレ渡してきて欲しいアル。」

「どっちも真選組かよ…」


でも頼み事があるから、って理由があれば…気負い無く真選組に行かれる。土方に会える。


「大丈夫ですか?」

「ああ、任せとけ。…ただし、二人ともそれぞれ楽しんでこいよ。」

「「はい/ラジャァ!!!」」


俺は頼み事を快く引き受けた。


「ありがとう、銀ちゃん!!」

「ありがとうございます、銀さん!僕、終わるのが夕方なのでもう今日は万事屋に戻って来ないと思います。」

「私は夕飯前くらいには戻ってくるネ。」

「はいよ。じゃあ、俺もそれまでには戻るわ。」

「じゃあ失礼します。」

「行ってくるアル!!」

「おう、二人とも気をつけろよー。」







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