【銀色小話】

□素直さ
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「……ん? ここどこだ?」






長椅子に座っていた万事屋オーナーの姿がなくなり。






「──ぎ、銀さぁぁぁああぁぁぁんっ!?」
「ふぉぉぉおおおぉぉぉぉっ!!」







小さい銀髪の子供が、そこに現れた。











☆☆



「んあ? 何で俺の名前知ってんの?」



くりりとした紅い瞳。
ぷっくりとしたスベスベの頬。
いつもより多い銀髪。
そして何よりその怠そうな喋り方。




「銀ちゃんが……小さくなったアル」
「小さくなった? 俺が? ……おおっ。何か服がぶかぶかだっ」



今気付いた、というように己が今着ている着流しを見た。
今の状況が楽しいのか、目が輝いている。
子供らしく。



「ちょ、ちょっと待って下さいよ。何でいきなり小さくなって……ん?」




銀時の前に置かれた、いちご牛乳──のパックの裏に付箋が貼ってあった。
曰く。


『ワシがこの前行った惑星で貰った液体の容器が壊れそうなので、とりあえずここに入れときます。飲んじゃいかんぜよ、金時!! アッハッハッハッ』





ビリビリビリィッ






「アッハッハッハッ、じゃねェェェェェエエエェェェ!! 何でわざわざ万事屋の、しかもいちご牛乳のパックに入れるの!? 快援隊社長のくせに!! あンのくそもじゃがぁぁああああぁぁッッ!!」
「もっさんの仕業アルか。ふ〜ん、なかなか良い仕事するアルな」
「良い仕事ってどこが!? って、何銀さん抱いてんの!?」



いつの間にか神楽は銀時の頭を撫でながら腕に抱っこしていた。
銀時は身をよじる。



「いたたたたたっ。なにこの姉ちゃん。何か技かけてね…って、マジギブギブ!!」
「あ、ごめんヨ」


ぱっ、と放すと銀時はたたっ、と走って椅子を踏み台に社長机の上に座った。


「おい、メガネ。何だこの状況。説明しろ」
「今メガネっつったか。え、えっと、実はこれこれこういうわけでして」
「ほう、つーことは俺にとっちゃここは未来なわけか」
「そうアル。かしこいネ〜」
「ふふん」


得意気な銀時に、子供らしさを感じる。
いつもなら『馬鹿にすんな』と素直じゃない言葉を返していただろう。
本当に、子供になっている。


「まずは姉上に僕の小さな頃の服持ってきてもらわなきゃ」
「服くれんの? お前良い奴だなっ」
「「……ぐはっ」」




にぱっ、と可愛らしく笑う銀時に。
新八と神楽が吐血した。








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