【銀色小話】

□正月
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「明けましておめでとうございます、銀時」


「…何それ」



目を擦りながら良い匂いのする台所の障子を開けた銀時。
すると松陽がニコリと笑ってそんな言葉を言ってきた。
いつも、おはようございます、なのに。

もう既に朝食を作り終えたのか、料理を持って机に向かう。
早く食べたい銀時も手伝おうとして料理を見た。
かなり豪華だ。

銀時は目を瞬かせて料理を並べていく。



「どしたの、コレ」
「今日は元日なんですよ」
「元日?」
「はい。一年の初めの日です。去年はお世話になりました、今年もよろしくお願いします、と関わりある人に伝え、気持ちを新たにする区切りの日です」
「ふ〜ん? だからこんな豪華なのか?」
「はい」



料理を並べ終え、松陽と銀時は向かい合って座る。
銀時は、じーっと料理を見つめて涎を垂らしている。
松陽はふふっ、と笑う。


「銀時。食べる前に、コレ飲んでみませんか?」
「何それ?」


赤い急須(きゅうす)みたいな入れ物に、大中小の杯(さかづき)が台の上に重なっている。
松陽が台の方を銀時の前に置いた。





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